2nd Season #22 特別座談会~現在と未来の在宅療養~
2015年02月01日
みなさま、お元気ですか? 小野千穂です。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。
よろしくぴよ♪
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2nd Season 第22回は、前回に引き続きゲストを迎えて特別座談会を行いました。
座談会のメンバーは、 「栗東市介護者の会」顧問の小林純子(こばやし じゅんこ)さん
「NPO法人 木もれび」理事長の森村敬子(もりむら けいこ)さん
「滋賀県健康医療福祉部」次長の角野文彦(かくの ふみひこ)さんです。
小林さん
森村さん(奥)と角野さん(手前)
「在宅療養は難しい?」
介護してきた人や介護している人にとって同じ悩みは睡眠不足です。おむつ交換などで夜眠れないことが多いです。(小林さん)
ご家族の負担が全くないとは言えないですが、一番大事なのはご本人の意思だと思います。命の終わりを自宅で迎えたいと思われるのであれば、周りもその目標に向かって進むことができると思います。そのために今ある介護サービスを活用してできるだけご家族の負担を減らすことは可能だと思います。また、療養中の方も生活者であることには変わりありません。ご家族の生活を守るためにも、まずはご本人の昼間の生活のリズムをしっかり作ることが、ご家族の睡眠不足を無くすためにも大事だと思います。(森村さん)
動ける人であればデイサービスやショートスティを利用することもご本人だけでなくご家族にとっても有効かと思います。(角野さん)
「ショートスティの利用方法」
一番有難かったサービスはショートスティです。介護する家族がぐっすり眠ることができました。ただ、3カ月ほど前から事前の申し込みが必要なので急には利用できません。ところが、夫の母が病院から自宅へ戻ってくる前日に私が不慮の事故で大けがをしたことがあります。そこで20件ほど問い合わせてようやく母をある施設に預かっていただいたことがあります。(小林さん)
今は、介護者の方の不測の事態に対して普段通っているデイサービスで預かっていただけたり、複数のショートスティを利用することで緊急的に預かっていただける可能性を広げたりと工夫することができます。また、平成18年の改正以降は小規模多機能サービスで、泊まることも、またそこの職員さんがお家に伺うこともできるものがあります。そのサービスの泊まり機能は予約制というよりは緊急性の高いものを優先できるのでそういったサービスがあることを知ることが大事かなと思います。(森村さん)
できれば病院に預かってほしいという方のためには、レスパイト入院という方法があります。ご本人およびご家族の負担を減らすために今後は広がりをみせると思います。(角野さん)
「在宅療養中に急変した場合は」
訪問看護師さんに連絡してください。最初に判断してくれます。そこから場合によっては主治医に連絡して対応できます。一番大事なのは、普段から訪問看護師さんや主治医が病状をご家族にしっかり説明しておくことだと思います。(角野さん)
訪問看護師に申請をしておけば、深夜でも電話することはできます。病気についてはご家族も不安だと思いますので、話すことで安心できると思います。実際に訪問看護師さんや主治医が自宅へかけつけるケースはほとんどありません。深夜の訪問看護や往診がないという実態が広く医療関係者に知られれば、それが結果的に在宅療養に取り組む訪問看護師や主治医を育てることにもつながります。(森村さん)
「これからの在宅療養」
現在の医療福祉の専門家の方々の連携の厚みはしっかりできてきているし、これからも充実していくと思います。今後は、自分たちがその制度の恩恵を受けながらいかに生きていくか、覚悟を決めることが大事だと思います。「おまかせ」という時代は終わります。私達の意識レベルを高めることが必要だと思います。(小林さん)
制度としてあればいいなというのは限りがありません。今後はそういった制度で足りないものを埋めていくのではなくて、一人一人が自分の命に向き合って責任を持つという意思のもとに、専門家だけではなく地域の方々の力も借りながら実現していくスタイルになるのかなと思います。(森村さん)
医療と言う面から考えると、今後は薬剤師さんがもっと関わることができるといいなと思います。また、生活と言う面から考えると「食べる」という点で、歯科医師さんや歯科衛生士さんが関わってくれることでよりよい在宅療養につながると思います。そして何よりも、ご本人の意思を尊重すること。在宅で終末期を過ごしたいという方にはその意思を強く持っていただいてご家族や周囲の人たちが支えていけたらなと思います。(角野さん)
「取材を終えて」
22回に渡ってお届けしてきたこの番組も、いよいよファイナルを迎えました。これまでの在宅療養を振り返ることにより、在宅療養の課題やこれからのあり方が見えてきたような気がします。制度や専門家の連携はかなり充実してきました。今後は、「誰もがいつかは終末期を迎えるのだ」という普遍的な事実を全ての人がより真摯に受け止めることが一人一人の命を最期まで慈しむことにつながるのではないでしょうか。その時が来るまで知らんぷりをする時代は終わりました。人生のゴールを考えることは、自分らしい人生を歩むための第一歩なのかもしれません。(chiho)
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☆番組を聴き逃した方、もう一度聴きたい方は、こちらをクリックしてください☆ ←番組視聴ページのリンクです。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。

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2nd Season 第22回は、前回に引き続きゲストを迎えて特別座談会を行いました。
座談会のメンバーは、 「栗東市介護者の会」顧問の小林純子(こばやし じゅんこ)さん
「NPO法人 木もれび」理事長の森村敬子(もりむら けいこ)さん
「滋賀県健康医療福祉部」次長の角野文彦(かくの ふみひこ)さんです。




「在宅療養は難しい?」
介護してきた人や介護している人にとって同じ悩みは睡眠不足です。おむつ交換などで夜眠れないことが多いです。(小林さん)
ご家族の負担が全くないとは言えないですが、一番大事なのはご本人の意思だと思います。命の終わりを自宅で迎えたいと思われるのであれば、周りもその目標に向かって進むことができると思います。そのために今ある介護サービスを活用してできるだけご家族の負担を減らすことは可能だと思います。また、療養中の方も生活者であることには変わりありません。ご家族の生活を守るためにも、まずはご本人の昼間の生活のリズムをしっかり作ることが、ご家族の睡眠不足を無くすためにも大事だと思います。(森村さん)
動ける人であればデイサービスやショートスティを利用することもご本人だけでなくご家族にとっても有効かと思います。(角野さん)
「ショートスティの利用方法」
一番有難かったサービスはショートスティです。介護する家族がぐっすり眠ることができました。ただ、3カ月ほど前から事前の申し込みが必要なので急には利用できません。ところが、夫の母が病院から自宅へ戻ってくる前日に私が不慮の事故で大けがをしたことがあります。そこで20件ほど問い合わせてようやく母をある施設に預かっていただいたことがあります。(小林さん)
今は、介護者の方の不測の事態に対して普段通っているデイサービスで預かっていただけたり、複数のショートスティを利用することで緊急的に預かっていただける可能性を広げたりと工夫することができます。また、平成18年の改正以降は小規模多機能サービスで、泊まることも、またそこの職員さんがお家に伺うこともできるものがあります。そのサービスの泊まり機能は予約制というよりは緊急性の高いものを優先できるのでそういったサービスがあることを知ることが大事かなと思います。(森村さん)
できれば病院に預かってほしいという方のためには、レスパイト入院という方法があります。ご本人およびご家族の負担を減らすために今後は広がりをみせると思います。(角野さん)
「在宅療養中に急変した場合は」
訪問看護師さんに連絡してください。最初に判断してくれます。そこから場合によっては主治医に連絡して対応できます。一番大事なのは、普段から訪問看護師さんや主治医が病状をご家族にしっかり説明しておくことだと思います。(角野さん)
訪問看護師に申請をしておけば、深夜でも電話することはできます。病気についてはご家族も不安だと思いますので、話すことで安心できると思います。実際に訪問看護師さんや主治医が自宅へかけつけるケースはほとんどありません。深夜の訪問看護や往診がないという実態が広く医療関係者に知られれば、それが結果的に在宅療養に取り組む訪問看護師や主治医を育てることにもつながります。(森村さん)
「これからの在宅療養」
現在の医療福祉の専門家の方々の連携の厚みはしっかりできてきているし、これからも充実していくと思います。今後は、自分たちがその制度の恩恵を受けながらいかに生きていくか、覚悟を決めることが大事だと思います。「おまかせ」という時代は終わります。私達の意識レベルを高めることが必要だと思います。(小林さん)
制度としてあればいいなというのは限りがありません。今後はそういった制度で足りないものを埋めていくのではなくて、一人一人が自分の命に向き合って責任を持つという意思のもとに、専門家だけではなく地域の方々の力も借りながら実現していくスタイルになるのかなと思います。(森村さん)
医療と言う面から考えると、今後は薬剤師さんがもっと関わることができるといいなと思います。また、生活と言う面から考えると「食べる」という点で、歯科医師さんや歯科衛生士さんが関わってくれることでよりよい在宅療養につながると思います。そして何よりも、ご本人の意思を尊重すること。在宅で終末期を過ごしたいという方にはその意思を強く持っていただいてご家族や周囲の人たちが支えていけたらなと思います。(角野さん)
「取材を終えて」
22回に渡ってお届けしてきたこの番組も、いよいよファイナルを迎えました。これまでの在宅療養を振り返ることにより、在宅療養の課題やこれからのあり方が見えてきたような気がします。制度や専門家の連携はかなり充実してきました。今後は、「誰もがいつかは終末期を迎えるのだ」という普遍的な事実を全ての人がより真摯に受け止めることが一人一人の命を最期まで慈しむことにつながるのではないでしょうか。その時が来るまで知らんぷりをする時代は終わりました。人生のゴールを考えることは、自分らしい人生を歩むための第一歩なのかもしれません。(chiho)
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2nd Season #21 特別座談会~よりよい在宅療養をするために~
2015年01月25日
みなさま、お元気ですか? 小野千穂です。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。
よろしくぴよ♪
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2nd Season 第21回は、ゲストを迎えて特別座談会~よりよい在宅療養をするために~を行いました。
座談会のメンバーは、
「花かたばみの会」代表 井川 裕子(いがわ ひろこ)さん
「よつば訪問看護ステーション」所長の谷口智恵己(たにぐち ちえみ)さん
「松木診療所」医師の松木明(まつき あきら)さん
「草津総合病院患者サポートセンター」の社会福祉士 吉村明浩(よしむら あきひろ)さんです。
谷口さん(左)と吉村さん(右)
井川さん(奥)と松木さん(手前)
「在宅療養の良さとは」
在宅で最期を迎える場合にはそれなりにそれぞれの意味があります。毎年15人~20人ほど看取りをしていますが、ほとんどの家族の方が、家で看取ることができて良かったですと言われます。例えば、多発性の脳梗塞で寝たきりの患者さんがいらっしゃいました。病院で入院中は鼻からチューブを入れて栄養を補給していましたが、在宅では食べさせてあげたいというご家族の希望がありました。そこで、患者さんがチューブを外したタイミングで少量ずつ口から食事をするようになりました。すると、患者さんの表情が変わってきました。「美味しい」と目が輝きだしました。病院では大事を取って禁止されるようなことも、自宅ではそのリスクを理解しながらやってみることができます。そのあたりが、病院と在宅の違いだと思います。(松木さん)
癌の治療中で様々な医療処置のある女性患者さんで、口から食べると吐いてしまうので栄養の点滴をつけてご自宅へ帰って来られた方がいらっしゃいました。ところが、お家に戻られたらまずサイダーを2リットルほど飲まれました。病院では炭酸は禁止だったので在宅医の先生もびっくりされていました。また、果物が食べたいとのことで、冷凍してミキサーにかけたものをスムージーにして召し上がっていました。ご家族だからこそ、やり方を考えることができたし、実現できたと思います。(谷口さん)
在宅の良さと言うのは、本人が一番幸せだと思うことを第一に考えることができるところだと思います。私の父の場合は、何も欲しくないと言っていたので自然に亡くなりたいという希望を叶えることができました。(井川さん)
今までどおりの生活ができなくなってきても、それを補うサービスやサポートを上手く使うことができたら、住む場所を変えなくてもご自宅で過ごすことはできると思います。不安の多い患者さんには、丁寧に相談にのって、一つ一つ問題を解決していくことで実現に近づくことができます。(吉村さん)
「自分の気持ちを伝える。」
なかなか家族にはいろんなことを考えて本当の気持ちを伝えることができない方も多いです。また、家族も突っ込んだところを聞きにくいというところもあります。そんな中、訪問看護師は病院の看護師とは違い、じっくりとご本人のお話を聞くことができますし、そこで信頼関係ができて「この人だったら」と、本音を言ってくださる方もいらっしゃいます。(谷口さん)
家族の立場としては、「在宅看取りは迷惑ではない」と思います。最初は未知のことだから、大変だなぁと思うと思いますが、介護したおかげでたくさんのプレゼントをもらえるんだということや、在宅療養を支援するサービスがたくさんあるので在宅看取りは決して不可能ではないということを知ってもらえたらと思います。また、地域の力をかりること、ご近所さんと仲良くしておくことで、顔のつながりを大切にすることも大事だと思います。(井川さん)
認知症の患者さんが多いので、かかりつけ医としてはご家族との関係をつくっていくことを意識しています。在宅療養において、まずは家族が疲れないこと、家族が元気で生活していけるように、そのことを一つの指標にしています。(松木さん)
「エンディングノートについて」
遺産やお墓、葬儀など亡くなった後のことを書くようなイメージが強いですが、実はこれまで生きてきた自分史を記すノートでもあると思います。私も、どんな時が一番楽しかったのか、子どもの名前にはどんな思いがあったのかなど、父が亡くなったあとでたくさん聞きたいことがあったなと気付きました。だから私は自分の子どもに自分の想いを残したいなと思います。(井川さん)
まだまだエンディングノートを活用される方は少ないです。そこで、訪問看護師はできるだけその方の自分史や想いを聞き出すように努めています。それを亡くなられた後にご家族にお伝えすると、涙を流して喜んでくださいます。今後は、傾聴ボランティアさんなどによってしっかりと聞き取りをしていければ、実のある療養生活につながるんではないかなと思います。(谷口さん)
「孤独死を無くしたい」
震災のニュースで孤独死を迎えている方々の存在を知って、「世の中のために働いてきてくれた先人のみなさんが穏やかに暮らせるようにお手伝いしたい」と福祉の世界に入った吉村さん。「社会福祉士として訪問させていただいていた時に、“昨晩亡くなられていたと思います”という結果もありました。一人で何かあったらという考えもわかりますが、そのために全く知らないところで過ごすよりは、人生の最終章を慣れ親しんだところで慣れ親しんだ人と過ごす方がいいのなかと思います。最期を迎えるその時ではなく、それまでをどう過ごしたいかが大事なんだと思います」(吉村さん)
独居の方達はこれからどんどん増えていくと思います。様々なサービスが入ってそれぞれの自宅で最期を迎えることは考えられることですし、あっていいことだと思います。(松木さん)
常日頃近所の人も気にかけてくれる、そんな街になって行ったらいいなと思います。(井川さん)
地域でもお友達でも、大きな集まりというよりは、小さな集まりでみんなの顔が見えるつきあいができるといいですね。最期を迎えるまでの生き方を考える大切さを啓発していけたらいいですね。(谷口さん)
「取材を終えて」
およそ1時間近くにわたる座談会でした。看取りを経験したご家族の立場から、専門職の方々の経験から、明快で奥深いお話を聞かせていただきました。よりよい在宅療養は、療養をされる方の数だけ存在するのかもしれません。だからこそ、『本当の気持ち』を表に出すことができる環境を。また、ご近所力のある街づくりを。それぞれの彩りある人生のために。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
在宅療養は病院での療養と違って、ご本人やご家族の想い、願いに添ったことができるんですね。そのためには、エンディングノートなども活用しながら家族に自らの気持ちを伝えるためのコミュニケーションをとっていくことが重要ですね。在宅療養支援チームもご家族と一緒に、患者さんが一番幸せと思えることを叶えようと行動できるから、笑顔が生まれたり、やりきったという達成感にもつながります。在宅療養を難しいととらえている方にも、具体的なサービスやサポートをご紹介することでやってみよう!というきっかけになるのではないでしょうか。また、よりよい在宅療養のために、地域の人たちとの顔の見えるつながりも大切ですね。
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この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。

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2nd Season 第21回は、ゲストを迎えて特別座談会~よりよい在宅療養をするために~を行いました。
座談会のメンバーは、
「花かたばみの会」代表 井川 裕子(いがわ ひろこ)さん
「よつば訪問看護ステーション」所長の谷口智恵己(たにぐち ちえみ)さん
「松木診療所」医師の松木明(まつき あきら)さん
「草津総合病院患者サポートセンター」の社会福祉士 吉村明浩(よしむら あきひろ)さんです。




「在宅療養の良さとは」
在宅で最期を迎える場合にはそれなりにそれぞれの意味があります。毎年15人~20人ほど看取りをしていますが、ほとんどの家族の方が、家で看取ることができて良かったですと言われます。例えば、多発性の脳梗塞で寝たきりの患者さんがいらっしゃいました。病院で入院中は鼻からチューブを入れて栄養を補給していましたが、在宅では食べさせてあげたいというご家族の希望がありました。そこで、患者さんがチューブを外したタイミングで少量ずつ口から食事をするようになりました。すると、患者さんの表情が変わってきました。「美味しい」と目が輝きだしました。病院では大事を取って禁止されるようなことも、自宅ではそのリスクを理解しながらやってみることができます。そのあたりが、病院と在宅の違いだと思います。(松木さん)
癌の治療中で様々な医療処置のある女性患者さんで、口から食べると吐いてしまうので栄養の点滴をつけてご自宅へ帰って来られた方がいらっしゃいました。ところが、お家に戻られたらまずサイダーを2リットルほど飲まれました。病院では炭酸は禁止だったので在宅医の先生もびっくりされていました。また、果物が食べたいとのことで、冷凍してミキサーにかけたものをスムージーにして召し上がっていました。ご家族だからこそ、やり方を考えることができたし、実現できたと思います。(谷口さん)
在宅の良さと言うのは、本人が一番幸せだと思うことを第一に考えることができるところだと思います。私の父の場合は、何も欲しくないと言っていたので自然に亡くなりたいという希望を叶えることができました。(井川さん)
今までどおりの生活ができなくなってきても、それを補うサービスやサポートを上手く使うことができたら、住む場所を変えなくてもご自宅で過ごすことはできると思います。不安の多い患者さんには、丁寧に相談にのって、一つ一つ問題を解決していくことで実現に近づくことができます。(吉村さん)
「自分の気持ちを伝える。」
なかなか家族にはいろんなことを考えて本当の気持ちを伝えることができない方も多いです。また、家族も突っ込んだところを聞きにくいというところもあります。そんな中、訪問看護師は病院の看護師とは違い、じっくりとご本人のお話を聞くことができますし、そこで信頼関係ができて「この人だったら」と、本音を言ってくださる方もいらっしゃいます。(谷口さん)
家族の立場としては、「在宅看取りは迷惑ではない」と思います。最初は未知のことだから、大変だなぁと思うと思いますが、介護したおかげでたくさんのプレゼントをもらえるんだということや、在宅療養を支援するサービスがたくさんあるので在宅看取りは決して不可能ではないということを知ってもらえたらと思います。また、地域の力をかりること、ご近所さんと仲良くしておくことで、顔のつながりを大切にすることも大事だと思います。(井川さん)
認知症の患者さんが多いので、かかりつけ医としてはご家族との関係をつくっていくことを意識しています。在宅療養において、まずは家族が疲れないこと、家族が元気で生活していけるように、そのことを一つの指標にしています。(松木さん)
「エンディングノートについて」
遺産やお墓、葬儀など亡くなった後のことを書くようなイメージが強いですが、実はこれまで生きてきた自分史を記すノートでもあると思います。私も、どんな時が一番楽しかったのか、子どもの名前にはどんな思いがあったのかなど、父が亡くなったあとでたくさん聞きたいことがあったなと気付きました。だから私は自分の子どもに自分の想いを残したいなと思います。(井川さん)
まだまだエンディングノートを活用される方は少ないです。そこで、訪問看護師はできるだけその方の自分史や想いを聞き出すように努めています。それを亡くなられた後にご家族にお伝えすると、涙を流して喜んでくださいます。今後は、傾聴ボランティアさんなどによってしっかりと聞き取りをしていければ、実のある療養生活につながるんではないかなと思います。(谷口さん)
「孤独死を無くしたい」
震災のニュースで孤独死を迎えている方々の存在を知って、「世の中のために働いてきてくれた先人のみなさんが穏やかに暮らせるようにお手伝いしたい」と福祉の世界に入った吉村さん。「社会福祉士として訪問させていただいていた時に、“昨晩亡くなられていたと思います”という結果もありました。一人で何かあったらという考えもわかりますが、そのために全く知らないところで過ごすよりは、人生の最終章を慣れ親しんだところで慣れ親しんだ人と過ごす方がいいのなかと思います。最期を迎えるその時ではなく、それまでをどう過ごしたいかが大事なんだと思います」(吉村さん)
独居の方達はこれからどんどん増えていくと思います。様々なサービスが入ってそれぞれの自宅で最期を迎えることは考えられることですし、あっていいことだと思います。(松木さん)
常日頃近所の人も気にかけてくれる、そんな街になって行ったらいいなと思います。(井川さん)
地域でもお友達でも、大きな集まりというよりは、小さな集まりでみんなの顔が見えるつきあいができるといいですね。最期を迎えるまでの生き方を考える大切さを啓発していけたらいいですね。(谷口さん)
「取材を終えて」
およそ1時間近くにわたる座談会でした。看取りを経験したご家族の立場から、専門職の方々の経験から、明快で奥深いお話を聞かせていただきました。よりよい在宅療養は、療養をされる方の数だけ存在するのかもしれません。だからこそ、『本当の気持ち』を表に出すことができる環境を。また、ご近所力のある街づくりを。それぞれの彩りある人生のために。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
在宅療養は病院での療養と違って、ご本人やご家族の想い、願いに添ったことができるんですね。そのためには、エンディングノートなども活用しながら家族に自らの気持ちを伝えるためのコミュニケーションをとっていくことが重要ですね。在宅療養支援チームもご家族と一緒に、患者さんが一番幸せと思えることを叶えようと行動できるから、笑顔が生まれたり、やりきったという達成感にもつながります。在宅療養を難しいととらえている方にも、具体的なサービスやサポートをご紹介することでやってみよう!というきっかけになるのではないでしょうか。また、よりよい在宅療養のために、地域の人たちとの顔の見えるつながりも大切ですね。
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2nd Season #20 ~生活支援サポーター絆~
2015年01月18日
みなさま、お元気ですか? 小野千穂です。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。
よろしくぴよ♪
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2nd Season 第20回は、東近江市永源寺地区で活動されている生活支援サポーター「絆(きずな)」の代表 川嶋富夫(かわしま とみお)さんと、副代表の今井久美子(いまい くみこ)さんにお話を伺いました。
「絆の活動内容は?」
地域の隙間を埋める活動をしています。ヘルパーさんなど、行政の目にまだ触れない方々の生活を支援しています。つまり、介護保険などを利用される前の段階で、日々の生活サポートが必要な方を対象に、話し相手や、ゴミだし、お買い物、病院の送迎などのお手伝いをしています。またご家族のお見舞いに行くための送迎サポートや、本の貸し出しなどもしています。(川嶋さん)
「猿との戦い?!ゴミ出し。」
生ごみを狙う猿が怖くてゴミ出しができなくなった高齢者の方がいらっしゃいます。また、重いゴミを持てずにひきずる方もいらっしゃいます。見かねて「ゴミを出しましょうか」と声をかけましたが、最初は断られました。自分のことは自分でする気持ちがあるからです。そこで、「うちのゴミを出しに行くのだけどついでに出そうか?」と言うと任せてくれるようになりました。その方の自尊心を大事にしながら、さりげなくサポートをするのがコツです。(今井さん、川嶋さん)
川嶋さん(左)と今井さん(右)
「絆が始まったきっかけは?」
東近江市社会協議福祉会で生活支援サポートの講座がありました。そこで永源寺とよく似た環境である朽木の支援団体の活動を知って、これなら私達にできるかもと思いました。(今井さん)
「在宅療養支援チームとの関わり」
在宅療養支援チームの方々への医療費の支払いを、遠方のご家族からお預かりして手伝ったりもしています。また、在宅療養をされている方に訪問看護などがない日も、メンバーが目を配るようにして、安心して在宅療養ができるように支援しています。
「今後も永源寺に住みたいですか」
はい。絆の活動を通して様々な方にお会いすることができました。ぼちぼちしかできませんがこれからもがんばっていきたいです。(今井さん)
メンバーに期待することは、今後も苦しまず、嫌々ではなく地域の支援活動を続けてもらうことです。仲よく続けていきたいです。(川嶋さん)
「取材を終えて」
今回はこれまでの取材とは違って、在宅療養をされている方も含め、地域のあらゆる方々を支援する取り組みのお話でした。高齢者の一人暮らしであっても、介護保険を受ける前は行政も把握していない生活が存在します。そこに、地域の目が向けられることによってどれだけ安心した暮らしがもたらされることでしょう。昔は当たり前だったご近所の助け合い。そこには、助ける側と助けられる側の両方がそれぞれ支え合い、分かち合うことのできる確かなものがあります。地域を愛することは自分自身を愛することにもつながります。絆さんのような活動が再び当たり前に息づく街づくりがどんどん広がりますように。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
生活支援サポーター絆は、地域の人々の隙間を埋める活動をされているんですね。在宅療養をされている方やそのご家族も含め、日々の暮らしの中でサポートが必要な方はいらっしゃいます。生活支援は、自分達のできることから始めることが大切ですね。こういった活動が、よりより在宅療養をする環境づくりにもつながっているんですね。そのためには、日ごろから地域でのつながりを深めていくことが大事なのかもしれませんね。
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☆番組を聴き逃した方、もう一度聴きたい方は、こちらをクリックしてください☆ ←番組視聴ページのリンクです。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。

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2nd Season 第20回は、東近江市永源寺地区で活動されている生活支援サポーター「絆(きずな)」の代表 川嶋富夫(かわしま とみお)さんと、副代表の今井久美子(いまい くみこ)さんにお話を伺いました。
「絆の活動内容は?」
地域の隙間を埋める活動をしています。ヘルパーさんなど、行政の目にまだ触れない方々の生活を支援しています。つまり、介護保険などを利用される前の段階で、日々の生活サポートが必要な方を対象に、話し相手や、ゴミだし、お買い物、病院の送迎などのお手伝いをしています。またご家族のお見舞いに行くための送迎サポートや、本の貸し出しなどもしています。(川嶋さん)
「猿との戦い?!ゴミ出し。」
生ごみを狙う猿が怖くてゴミ出しができなくなった高齢者の方がいらっしゃいます。また、重いゴミを持てずにひきずる方もいらっしゃいます。見かねて「ゴミを出しましょうか」と声をかけましたが、最初は断られました。自分のことは自分でする気持ちがあるからです。そこで、「うちのゴミを出しに行くのだけどついでに出そうか?」と言うと任せてくれるようになりました。その方の自尊心を大事にしながら、さりげなくサポートをするのがコツです。(今井さん、川嶋さん)


「絆が始まったきっかけは?」
東近江市社会協議福祉会で生活支援サポートの講座がありました。そこで永源寺とよく似た環境である朽木の支援団体の活動を知って、これなら私達にできるかもと思いました。(今井さん)
「在宅療養支援チームとの関わり」
在宅療養支援チームの方々への医療費の支払いを、遠方のご家族からお預かりして手伝ったりもしています。また、在宅療養をされている方に訪問看護などがない日も、メンバーが目を配るようにして、安心して在宅療養ができるように支援しています。
「今後も永源寺に住みたいですか」
はい。絆の活動を通して様々な方にお会いすることができました。ぼちぼちしかできませんがこれからもがんばっていきたいです。(今井さん)
メンバーに期待することは、今後も苦しまず、嫌々ではなく地域の支援活動を続けてもらうことです。仲よく続けていきたいです。(川嶋さん)
「取材を終えて」
今回はこれまでの取材とは違って、在宅療養をされている方も含め、地域のあらゆる方々を支援する取り組みのお話でした。高齢者の一人暮らしであっても、介護保険を受ける前は行政も把握していない生活が存在します。そこに、地域の目が向けられることによってどれだけ安心した暮らしがもたらされることでしょう。昔は当たり前だったご近所の助け合い。そこには、助ける側と助けられる側の両方がそれぞれ支え合い、分かち合うことのできる確かなものがあります。地域を愛することは自分自身を愛することにもつながります。絆さんのような活動が再び当たり前に息づく街づくりがどんどん広がりますように。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
生活支援サポーター絆は、地域の人々の隙間を埋める活動をされているんですね。在宅療養をされている方やそのご家族も含め、日々の暮らしの中でサポートが必要な方はいらっしゃいます。生活支援は、自分達のできることから始めることが大切ですね。こういった活動が、よりより在宅療養をする環境づくりにもつながっているんですね。そのためには、日ごろから地域でのつながりを深めていくことが大事なのかもしれませんね。
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☆番組を聴き逃した方、もう一度聴きたい方は、こちらをクリックしてください☆ ←番組視聴ページのリンクです。
2nd Season #19 ~家内を、愛しています
2015年01月11日
みなさま、お元気ですか? 小野千穂です。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。
よろしくぴよ♪
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2nd Season 第19回は、男性介護者の会「中北の家」の代表、小宮俊明(こみや としあき)さんと、現在奥さんをそれぞれ介護中のメンバーの飯田寛(いいだ ひろし)さん、佐々木弘(ささき ひろむ)さん、山本弥織(やまもと やおり)さんにお話を伺いました。
飯田さんは、8年前から、佐々木さんは10年前から、山本さんは3年前から奥さまを介護されています。
「男性介護者の会 中北の家とは?」
男性の介護者の場合、どうしても閉じこもりがちになるので外に出てきていただいて、自分の胸の内を明かして少しでもスッキリして頂けたらと思って男性介護者の会 中北の家を開きました。現在はメンバーの男性9人、アドバイザーの女性2人で、主に野洲市内で定期的に集まっています。(小宮さん)
「それぞれの介護のはじまり」
最初に妻の様子がおかしいなと思ったのは、預金通帳が見当たらなくてパニックになって探していたり、病院を予約していたのに道がわからなくて帰ってきたことがはじまりです。そこで、専門医に診てもらったところ、ごく初期のアルツハイマー型認知症と診断されました。当時は、その病気についてほとんど知らなかったので、物が無くなったり同じことを聞いてきたりするたびに自分も言い返してしまって、毎日がほとんど喧嘩のような状態でした。(飯田さん)
僕はなんでもわりに楽に考える方なんです。せんならんことはせんならんし。困ったなぁとかあんまりなかったです。根本的に、夫婦なら一人が看る役、一人が寝る役。自分自身はじっとしているのが嫌いなのでいい役がまわってきたなぁと思いました。介護が辛いと思ったことはありません。(佐々木さん)
飯田さん(左)、佐々木さん(右)
家内が病気になったなんて全く思っていませんでした。年のせいだと思っていたんです。ただ、頭が痛いと言いだしたので病院で受診したところ、認知症と判断されました。認知症はよくはならないと聞いていましたし、いつまで続くのかということで今後どうしていったらいいんだろうと途方にくれました。在宅で療養中は、訪問看護やデイサービスなど様々なことを試みました。でも、夫婦2人の生活で夜中に徘徊したり幻視(見えないものが見える)という症状がひどくなり、入院することになりました。家内は69歳、私は76歳。年の順でいけば家内に面倒みてもらうんだろうと思っていましたがそれが逆になってしまって。今も病院にお見舞いに行っても私のことをわからないし、笑顔もない、会話もできない。本当にショックです。できるならば自宅で介護したいのに介護できない。そばに置きたいのにできない、そのことが情けなくて辛いです。(山本さん)
小宮さん(左)、山本さん(右)
「前向きな気持ち」
小さい店をやっていて女性のお客さんが多かったので、僕が介護をしていることを知ってお惣菜を分けていただいたりして地域のつながりに助けられています。死にたいとか思ったことはないです。介護を重荷に考えない方がいいと思います。なので食事も自分で作るようにしています。得意料理は肉じゃが、カレー、シチューです。居酒屋を開きたいくらいです。(佐々木さん)
私も家内のために死ねないなと思います。これまでインフルエンザの予防接種もあまり気にしていなかったのですが、自分の健康管理が家内のためになると思い、今は進んで予防接種もしています。(山本さん)
「デイサービスを利用して変わったこと」
現在2か所のデイサービスを利用しています。以前は夕方よく情緒不安定になっていたのですが、デイサービスに行くようになって妻も機嫌がよくなりました。また、自分自身もデイサービスに預けている間、用事をすませたり好きなことができたりして、助かっています。アルツハイマーの患者さんというのは介護者の気持ちがすごく伝わるものなんですね。だから、介護をする自分の気分がよくなれば、妻もよくなるんだなぁと実感しています。(飯田さん)
「中北の家に参加することで変わったこと」
他の男性介護者の方の話を聞くことによって、自分の中で「覚悟」ができました。男は一旦「覚悟」ができると強くなります。なので中北の家は自分にとって非常に大きなターニングポイントになりました。(飯田さん)
自分より若い方が奥さんの介護をされている話を聞くと、自分はまだましなのかなと思います。そのことが一番大きいです。だからこそ、家で介護するのも辛くありません。月に一度の会をとても楽しみにしています。(佐々木さん)
先月から参加しているのですが、みなさんの経験談をお聞きして苦労されているんだなと思いましたし、はたして自分にできるんだろうかという心配もありますが、とても参考になりました。(山本さん)
「奥さまを愛していますか?」
そばに置きたいという気持ちは人一倍あるんです。妻のことを愛しています。それだけに今一緒に居られず辛いんです。(山本さん)
もちろん、愛しています。車のナンバーもヨシコです!(飯田さん)
家内を愛しているという言葉は僕らの年代から考えたら言いにくいです。でも、黙って自分について来てくれたお返しはしたいと思います。病気になったのも僕のせいなのかなと。だから毎日が罪滅ぼしです。もちろん(愛してます)。(佐々木さん)
「みなさんにとって在宅療養とは」
認知症は難しい病気です。自分が自分でなくなっていく、そんな不安が本人にはあるんじゃないかと思います。だからその不安を取り除くことが介護者の務めだと思いますし、そのためには在宅療養がベストかなと思います。本人が心休まるような環境をつくっていきたいなと思います。(飯田さん)
介護の制度ができたいい時代だと思います。感謝しています。できるなら今後も在宅で看たいと思います。(佐々木さん)
私の場合、在宅介護はとても難しくて自信がありませんが、みなさんの経験をお聞きして参考にさせていただいて、なんとか今後実現したいなと思います。(山本さん)
「取材を終えて」
三者三様。それぞれの病状の違いがあると同時に、それぞれの夫婦の歴史もある。認知症の奥さまを看られている3人のだんな様達が、様々な思いを抱えて介護に向き合っていらっしゃいます。男性だからこその固い意志がある一方で、男性だからこその不器用さも垣間見えました。でもそこに共通するのは、やはり愛。これまで支えてくれた奥さまへ感謝の気持ちを忘れずに何とか一緒にいたいというひたむきな気持ちが伝わってきました。「病める時も、健やかなるときも」。あの日の誓いの言葉は今も胸に輝いています。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
認知症の症状は個人差があるので対処法も千差万別。だからこそ、その人に合った支援が必要ですね。そこにはやはり、地域でサポートしていくことが大切なのかもしれませんね。また、男性介護者の会「中北の家」のような会で、同じ境遇の人たちの体験談を聞くことができれば、自分なりに心の整理ができて介護を前向きに取り組むことができるのかもしれません。それに、家族への愛の力も大きいですね。
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☆番組を聴き逃した方、もう一度聴きたい方は、こちらをクリックしてください☆ ←番組視聴ページのリンクです。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。

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2nd Season 第19回は、男性介護者の会「中北の家」の代表、小宮俊明(こみや としあき)さんと、現在奥さんをそれぞれ介護中のメンバーの飯田寛(いいだ ひろし)さん、佐々木弘(ささき ひろむ)さん、山本弥織(やまもと やおり)さんにお話を伺いました。
飯田さんは、8年前から、佐々木さんは10年前から、山本さんは3年前から奥さまを介護されています。
「男性介護者の会 中北の家とは?」
男性の介護者の場合、どうしても閉じこもりがちになるので外に出てきていただいて、自分の胸の内を明かして少しでもスッキリして頂けたらと思って男性介護者の会 中北の家を開きました。現在はメンバーの男性9人、アドバイザーの女性2人で、主に野洲市内で定期的に集まっています。(小宮さん)
「それぞれの介護のはじまり」
最初に妻の様子がおかしいなと思ったのは、預金通帳が見当たらなくてパニックになって探していたり、病院を予約していたのに道がわからなくて帰ってきたことがはじまりです。そこで、専門医に診てもらったところ、ごく初期のアルツハイマー型認知症と診断されました。当時は、その病気についてほとんど知らなかったので、物が無くなったり同じことを聞いてきたりするたびに自分も言い返してしまって、毎日がほとんど喧嘩のような状態でした。(飯田さん)
僕はなんでもわりに楽に考える方なんです。せんならんことはせんならんし。困ったなぁとかあんまりなかったです。根本的に、夫婦なら一人が看る役、一人が寝る役。自分自身はじっとしているのが嫌いなのでいい役がまわってきたなぁと思いました。介護が辛いと思ったことはありません。(佐々木さん)

家内が病気になったなんて全く思っていませんでした。年のせいだと思っていたんです。ただ、頭が痛いと言いだしたので病院で受診したところ、認知症と判断されました。認知症はよくはならないと聞いていましたし、いつまで続くのかということで今後どうしていったらいいんだろうと途方にくれました。在宅で療養中は、訪問看護やデイサービスなど様々なことを試みました。でも、夫婦2人の生活で夜中に徘徊したり幻視(見えないものが見える)という症状がひどくなり、入院することになりました。家内は69歳、私は76歳。年の順でいけば家内に面倒みてもらうんだろうと思っていましたがそれが逆になってしまって。今も病院にお見舞いに行っても私のことをわからないし、笑顔もない、会話もできない。本当にショックです。できるならば自宅で介護したいのに介護できない。そばに置きたいのにできない、そのことが情けなくて辛いです。(山本さん)

「前向きな気持ち」
小さい店をやっていて女性のお客さんが多かったので、僕が介護をしていることを知ってお惣菜を分けていただいたりして地域のつながりに助けられています。死にたいとか思ったことはないです。介護を重荷に考えない方がいいと思います。なので食事も自分で作るようにしています。得意料理は肉じゃが、カレー、シチューです。居酒屋を開きたいくらいです。(佐々木さん)
私も家内のために死ねないなと思います。これまでインフルエンザの予防接種もあまり気にしていなかったのですが、自分の健康管理が家内のためになると思い、今は進んで予防接種もしています。(山本さん)
「デイサービスを利用して変わったこと」
現在2か所のデイサービスを利用しています。以前は夕方よく情緒不安定になっていたのですが、デイサービスに行くようになって妻も機嫌がよくなりました。また、自分自身もデイサービスに預けている間、用事をすませたり好きなことができたりして、助かっています。アルツハイマーの患者さんというのは介護者の気持ちがすごく伝わるものなんですね。だから、介護をする自分の気分がよくなれば、妻もよくなるんだなぁと実感しています。(飯田さん)
「中北の家に参加することで変わったこと」
他の男性介護者の方の話を聞くことによって、自分の中で「覚悟」ができました。男は一旦「覚悟」ができると強くなります。なので中北の家は自分にとって非常に大きなターニングポイントになりました。(飯田さん)
自分より若い方が奥さんの介護をされている話を聞くと、自分はまだましなのかなと思います。そのことが一番大きいです。だからこそ、家で介護するのも辛くありません。月に一度の会をとても楽しみにしています。(佐々木さん)
先月から参加しているのですが、みなさんの経験談をお聞きして苦労されているんだなと思いましたし、はたして自分にできるんだろうかという心配もありますが、とても参考になりました。(山本さん)
「奥さまを愛していますか?」
そばに置きたいという気持ちは人一倍あるんです。妻のことを愛しています。それだけに今一緒に居られず辛いんです。(山本さん)
もちろん、愛しています。車のナンバーもヨシコです!(飯田さん)
家内を愛しているという言葉は僕らの年代から考えたら言いにくいです。でも、黙って自分について来てくれたお返しはしたいと思います。病気になったのも僕のせいなのかなと。だから毎日が罪滅ぼしです。もちろん(愛してます)。(佐々木さん)
「みなさんにとって在宅療養とは」
認知症は難しい病気です。自分が自分でなくなっていく、そんな不安が本人にはあるんじゃないかと思います。だからその不安を取り除くことが介護者の務めだと思いますし、そのためには在宅療養がベストかなと思います。本人が心休まるような環境をつくっていきたいなと思います。(飯田さん)
介護の制度ができたいい時代だと思います。感謝しています。できるなら今後も在宅で看たいと思います。(佐々木さん)
私の場合、在宅介護はとても難しくて自信がありませんが、みなさんの経験をお聞きして参考にさせていただいて、なんとか今後実現したいなと思います。(山本さん)
「取材を終えて」
三者三様。それぞれの病状の違いがあると同時に、それぞれの夫婦の歴史もある。認知症の奥さまを看られている3人のだんな様達が、様々な思いを抱えて介護に向き合っていらっしゃいます。男性だからこその固い意志がある一方で、男性だからこその不器用さも垣間見えました。でもそこに共通するのは、やはり愛。これまで支えてくれた奥さまへ感謝の気持ちを忘れずに何とか一緒にいたいというひたむきな気持ちが伝わってきました。「病める時も、健やかなるときも」。あの日の誓いの言葉は今も胸に輝いています。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
認知症の症状は個人差があるので対処法も千差万別。だからこそ、その人に合った支援が必要ですね。そこにはやはり、地域でサポートしていくことが大切なのかもしれませんね。また、男性介護者の会「中北の家」のような会で、同じ境遇の人たちの体験談を聞くことができれば、自分なりに心の整理ができて介護を前向きに取り組むことができるのかもしれません。それに、家族への愛の力も大きいですね。
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2nd Season #18 介護を楽しむ~難病とともに。
2015年01月04日
みなさま、お元気ですか? 小野千穂です。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。
よろしくぴよ♪
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2nd Season 第18回は、甲賀地域にお住まいで、ご自宅で奥様を介護されている井貫昇(いぬき のぼる)さんと、訪問看護を担当されている公立甲賀病院訪問看護ステーション所長の山脇みつ子さん、訪問看護師の北山恵理香さんにお話を伺いました。
「在宅療養を始めたきっかけは?」
家内の病気はALS(筋委縮性側索硬化症)で、十万人に一人といわれている難病です。この病気は、全身の運動神経が動かなくなってどんどん進行して、最終的には肺を動かす筋肉が動かなくなり、そのまま放置したら死に至ります。治療方法も無いのが現状ですので、病状が安定したら在宅で治療するということを前提に医師と話し合っていました。 発症したのは今から9年前のことです。手が上がらない、高い段差があると登れないという症状が出てきました。病名を聞いた時は、まさかという気持ちでしたし、病気そのものの存在についても知りませんでした。家内は当時、58歳でした。まだ料理などの家事もしていましたが、1年経ってどんどんできないことが増えましたので、訪問看護などの在宅医療を受けるようになりました。(井貫さん)
井貫さん
「在宅療養をするうえで、困ったこと、不安だったことは」
病状の変化が怖かったです。特に呼吸が止まるタイミングが病気の進行によって変わるのでとても不安でした。常にプロである看護師さんの目で見ておいてもらうことが家族にとって支えでした。(井貫さん)
初めてお会いした時は、ご主人も奥さまも病気に対してとても戸惑っていらっしゃる印象を持ちました。やがて嚥下障害などの症状が出てきてお食事の仕方も変わってくるとご主人の負担も増えて、それと同時にご主人の不安も伝わってきました。そこで主治医の先生に連絡して間もなく入院していただき、呼吸器をつけていただきました。私もご主人とともにホッとしたのを覚えています。奥さまの健康管理と、介護されているご主人の健康に対する不安を感じていました。(山脇さん)
「在宅療養を支える人々の連携について」
ケアマネジャーを始め、甲賀病院の医師や訪問看護師、訪問リハビリのスタッフなど甲賀病院のチームで患者さんに関わらせていただいているので病院内での連絡や、訪問先からの電話連絡など密に取ることが可能です。(北山さん)
私自身は常に家内につきっきりなので一週間まるまる家のフェンスから出ないことがほとんどです。ですから、こうやって看護師さんをはじめいろんな方が訪問してくださると外からの情報を得ることができて社会的な生活をしているという気分になります。そうでなかったら完全に孤立していたと思います。(井貫さん)
(左から)井貫さん、北山さん、山脇さん
「介護をすることが楽しいんです」
介護をすることは楽しいです。生活の一部ですから。それは、家内が人工呼吸器をつけた時、私の意識が変わったからだと思います。つまり、「生きる」ということはどういうことか、その考えが変わったんです。これから家内が生きるために、夫婦でどういう生き方をしたらいいのかと考えたら自然と道が見えてきました。第二の人生です。(井貫さん)
「井貫さんにとって在宅療養とは」
家族の日常の生活です。家族が病気になったら一番近しいものが世話をするのが当たり前だと思います。在宅療養はその延長線上に合って日常の営みの1つだと思います。(井貫さん)
「取材を終えて」
続けて取れる睡眠時間が2時間。それを10年間続けている井貫さん。過酷な生活の中で強靭な精神力を保ち続けているのはなぜですか?との問いに、「難しいことが起きても、何とかなると思うんです。それに、本人(奥さん)が一度も弱音を吐かなかった。そのことも支えになりました」と答えていらっしゃいました。介護を通して、命や夫婦のきずなを見つめ直した井貫さん。今後もずっとお二人でいられるためにも、どうかご自身のお体も大事にして頂きたいと心から願います。原因不明の難病は、誰にでも起こりうるもの。そのためにも、介護者の方が安心できるより柔軟な在宅療養支援を一緒に考えていくべきだと思います。(chiho)
========================================
☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
難病であるがゆえに、奥さんの病気が発病してからすぐ在宅での療養を意識されていたんですね。ただ、難病の場合は介護の難しさもあるのでヘルパーさんにそのまま依頼するのは難しいこともある。だからこそ、関わる多職種の在宅支援チームの皆さんが連携を取って、きめ細かいケアをして支えているんですね。特に訪問看護師さんが関わることで、病状の変化に対する不安を解消することができて良かったです。生活や医療のサポートだけでなく、心のサポートも支援チームの重要な役割なんですね。そして、井貫さんの「呼吸器をつけた日からが第二の人生」という言葉がとても印象的でした。意識を変えることで在宅での療養を楽しいことにしていくことができるんですね。
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Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。

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2nd Season 第18回は、甲賀地域にお住まいで、ご自宅で奥様を介護されている井貫昇(いぬき のぼる)さんと、訪問看護を担当されている公立甲賀病院訪問看護ステーション所長の山脇みつ子さん、訪問看護師の北山恵理香さんにお話を伺いました。
「在宅療養を始めたきっかけは?」
家内の病気はALS(筋委縮性側索硬化症)で、十万人に一人といわれている難病です。この病気は、全身の運動神経が動かなくなってどんどん進行して、最終的には肺を動かす筋肉が動かなくなり、そのまま放置したら死に至ります。治療方法も無いのが現状ですので、病状が安定したら在宅で治療するということを前提に医師と話し合っていました。 発症したのは今から9年前のことです。手が上がらない、高い段差があると登れないという症状が出てきました。病名を聞いた時は、まさかという気持ちでしたし、病気そのものの存在についても知りませんでした。家内は当時、58歳でした。まだ料理などの家事もしていましたが、1年経ってどんどんできないことが増えましたので、訪問看護などの在宅医療を受けるようになりました。(井貫さん)

「在宅療養をするうえで、困ったこと、不安だったことは」
病状の変化が怖かったです。特に呼吸が止まるタイミングが病気の進行によって変わるのでとても不安でした。常にプロである看護師さんの目で見ておいてもらうことが家族にとって支えでした。(井貫さん)
初めてお会いした時は、ご主人も奥さまも病気に対してとても戸惑っていらっしゃる印象を持ちました。やがて嚥下障害などの症状が出てきてお食事の仕方も変わってくるとご主人の負担も増えて、それと同時にご主人の不安も伝わってきました。そこで主治医の先生に連絡して間もなく入院していただき、呼吸器をつけていただきました。私もご主人とともにホッとしたのを覚えています。奥さまの健康管理と、介護されているご主人の健康に対する不安を感じていました。(山脇さん)
「在宅療養を支える人々の連携について」
ケアマネジャーを始め、甲賀病院の医師や訪問看護師、訪問リハビリのスタッフなど甲賀病院のチームで患者さんに関わらせていただいているので病院内での連絡や、訪問先からの電話連絡など密に取ることが可能です。(北山さん)
私自身は常に家内につきっきりなので一週間まるまる家のフェンスから出ないことがほとんどです。ですから、こうやって看護師さんをはじめいろんな方が訪問してくださると外からの情報を得ることができて社会的な生活をしているという気分になります。そうでなかったら完全に孤立していたと思います。(井貫さん)

「介護をすることが楽しいんです」
介護をすることは楽しいです。生活の一部ですから。それは、家内が人工呼吸器をつけた時、私の意識が変わったからだと思います。つまり、「生きる」ということはどういうことか、その考えが変わったんです。これから家内が生きるために、夫婦でどういう生き方をしたらいいのかと考えたら自然と道が見えてきました。第二の人生です。(井貫さん)
「井貫さんにとって在宅療養とは」
家族の日常の生活です。家族が病気になったら一番近しいものが世話をするのが当たり前だと思います。在宅療養はその延長線上に合って日常の営みの1つだと思います。(井貫さん)
「取材を終えて」
続けて取れる睡眠時間が2時間。それを10年間続けている井貫さん。過酷な生活の中で強靭な精神力を保ち続けているのはなぜですか?との問いに、「難しいことが起きても、何とかなると思うんです。それに、本人(奥さん)が一度も弱音を吐かなかった。そのことも支えになりました」と答えていらっしゃいました。介護を通して、命や夫婦のきずなを見つめ直した井貫さん。今後もずっとお二人でいられるためにも、どうかご自身のお体も大事にして頂きたいと心から願います。原因不明の難病は、誰にでも起こりうるもの。そのためにも、介護者の方が安心できるより柔軟な在宅療養支援を一緒に考えていくべきだと思います。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
難病であるがゆえに、奥さんの病気が発病してからすぐ在宅での療養を意識されていたんですね。ただ、難病の場合は介護の難しさもあるのでヘルパーさんにそのまま依頼するのは難しいこともある。だからこそ、関わる多職種の在宅支援チームの皆さんが連携を取って、きめ細かいケアをして支えているんですね。特に訪問看護師さんが関わることで、病状の変化に対する不安を解消することができて良かったです。生活や医療のサポートだけでなく、心のサポートも支援チームの重要な役割なんですね。そして、井貫さんの「呼吸器をつけた日からが第二の人生」という言葉がとても印象的でした。意識を変えることで在宅での療養を楽しいことにしていくことができるんですね。
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2nd Season #17 『家庭医を育てる』
2014年12月28日
みなさま、お元気ですか? 小野千穂です。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。
よろしくぴよ♪
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2nd Season 第17回は、長浜市の浅井東診療所の医師 松井善典先生にお話を伺いました。浅井東診療所では、松井先生を含めた2名の医師で外来診療、および月に40~50件の訪問診療を行っていらっしゃいます。
「地域の特徴はどんなところですか」
浅井東診療所に来られる患者さんは、この地域に何代にも渡って住まれている方が多いので、僕たちが土地に感じている愛着と患者さんたちが感じている愛着は違うなぁと思います。例えば、「畑に行く」というのは野菜を作りに行くというイメージがありますが、患者さんたちにとってはそうではなくて、土に触れることで元気になるという意味があり、その土地の自然とともに生きてきた方々がそこで療養されているのだなと思います。
「医師として心掛けていることとは」
外来でも在宅医療でも大事にしていることは、その日、患者さんが何を一番伝えたいのかお話したいのかということに耳を傾けることです。体調の不安はもちろんですが、医師に対する期待も含めて聞かなければならないと思っています。これは、自分が北海道でトレーニングを受けた時のことなんですが、診察をビデオに撮った後で見直したことがあります。そこには何か患者さんが言おうとしているのに全く気づかずにしゃべっていた自分の姿がありました。それ以来、目の前に患者さんが居てしゃべっている景色ともう一つの別の景色を意識しています。そうすることで、もう少し待った方がいいとか、これは何か大事なことを話そうとされていることに気がついたりすることがあります。特に赴任して間もないころは、どこまで話したらいいのだろうかと探りながら患者さんが話しておられるなと感じていましたので、あまり深入りしないようにしました。でも時に決断をしなくてはいけなかったり、方針を変えなければならないときには、ぐっと深く質問をして考えていただいて、患者さんから丁寧に答えをもらうやり取りを大事にしています。
松井さん
「印象的な在宅医療の患者さんとは」
ご家族の物語があって、それは本来ならもう医療者は関係のないものなのですが、そこに少し自分が入ることができた時はとても印象に残ります。例えば、西国三十三ヵ所を巡ると決めていた患者さんご夫婦がいらっしゃって、和歌山のお寺を回られていた時に発病して、それから闘病、療養、そして看取りが近くなってご自宅に戻っていらっしゃいました。その時に「あるお寺に行けるだろうか」とのお話があって、そこで少し迷ったんですが「ぜひ、雨でもこの週末に行って来てください」と話しました。それが三十三番目の最後のお寺だったこともあって、患者さんのどうしても行きたいという気持ちの後押しができたことは、医師として何か診断したり何かいい処方ができたわけではありませんが、患者さんとそのご家族の物語を止めることなく、悔いを残すことなく、ほんの少し医療者の持っている力を上手く使えたかなと思います。
また、特別養護老人ホームが診療所の近くにあります。そこでは年間20~40件ほどの看取りがあります。在宅看取りは、お家での看取りだけではなく、こういったホームでの看取りも広い意味で入ると思います。施設での看取りと聞くとネガティブなイメージが強いかもしれませんが、私たちが連携しているその特別養護老人ホームでは、「豊かな看取りを提供しよう」と一丸となって努めています。具体的には看取りが近くなった時、患者さんのご家族に施設へ来ていただいてインタビューをさせていただきます。昔作った趣味の作品だとか、お孫さんが作ったものだったりとか、患者さんが生業としていた仕事の衣装などをお部屋に置いておくと、ご家族同士やご家族と施設のスタッフとの交流も生まれます。私達医師も、施設のお部屋というよりはご自宅にお邪魔させてもらっているように感じます。患者さんの昔の姿を形どる思い出の小道具みたいなものがあると、家族さんもホッとして普段なら出ない語りが出たりして、それを聞いているスタッフが患者さんに対するケアの気持ちが変わったりするのを感じます。そういう意味で、ご自宅だけではなく、施設の看取りの中でもやりがいを感じていい経験をさせてもらっているなと思います。
「後進を育てる」
大学での教育と診療所での教育にも力を入れています。
大学での教育は、5回生を対象に、外来診療と在宅医療の事例で半年~数年の物語を3時間につめこんで「皆さんだったらどうしますか」という疑似体験の講義を2週間に1度行っています。
診療所での教育は、在宅医療に興味のある学生さんが1日~2週間ほど泊まり込みで学びに来られています。地域医療の現場を肌で感じてもらって時には診察も一緒にしてもらって、大学では学べないこともたくさんある場所ですので勉強してもらっています。
私もそうだったんですが、大学でも低学年のうちは地域医療や在宅医療は古き良きお医者さんのイメージで「なりたい!」という学生さんが多いかと思います。ただ、学年が上がっていくと出会う先生方が大学病院で働いているスペシャリストの先生方なのでそういった専門医の先生をお手本にしていくために、在宅医療などは選択肢から外れていく傾向があります。ですので、自分のような医師が大学に行って学生たちの前に立ったり、また、診療所に来てもらって仕事ぶりを見てもらうということで、地域医療、在宅医療も医師の道の一つなんだと提示できるといいなと思っています。
「診療所での実習前と後の学生たちの変化について」
診療所実習は、医学生たちを化けさせます。今まで何か遠くにしまっていたものが表に出たり、医学生生活の中で課題として抱えていたものをクリアにしたりと、非常に成長や飛躍を遂げる場になっていると感じています。例えば、診療所実習によって、自分は医師になるんだというプロ意識を覚える学生さんもいます。また、自分は医師に向いていないのではないかと悩んでいた学生さんがやはり医師としてこれから社会の中で責任を果たしていきたいという気持ちになるきっかけになったりします。何か知識が増えたり技術が身につくという実習ではありませんが、医師としての在り方や心根を刺激する学習環境だと思います。実際に現場に連れていくことで、「自分がこれまで抱いていた地域で働くお医者さんのイメージは間違ってました」と言う学生さんもいます。現場で学生さんが感じるものが本物だと思います。
「これからの在宅医療」
診療所には外来診療や予防医療、一時救急などたくさんの機能がありますが、在宅医療も当たり前の機能として存在するべきだと思います。同時に、学生さんたちにも診療所で働くお医者さんというものを当たり前の選択肢として考えてもらえるようなプログラムや体制をしっかりつくって、人材を育てていきたいと思います。
「松井さんにとって看取りとは」
外来診療から訪問診療に移る患者さん。自宅から施設に移る患者さん。いろんな流れが合ってその中でケアが続いていきますが、看取りは一つの終着点になると思います。一方でそこから始まる新たなつながりやチームワークもありますので、私にとって看取りとは医師としての大事な節目かなと思います。
「取材を終えて」
柔らかく心に染み込んでいくような語り口調が印象的な松井先生。あくまで患者さんの目線でその気持ちを考えることを目指して家庭医の普及に努めていらっしゃいます。実は番組始まって以来最年少のお医者さんでもありますが、人と人が寄り添う原点を教えていただいた気がしました。同じ湖北人としてちょっぴり誇らしげな気持ちにもなったりと、私自身も住み慣れた地域の新たな良さを実感させていただきました。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
松井先生の診療所では、2人のお医者さんが外来診療と訪問診療を交代でされているんですね。2人いることで、外来診療と訪問診療の両方を切れ目なくカバーできるし、滋賀の地域性も知り、患者さんに寄り添える在宅のお医者さんの養成もできるんですね。また、患者さんがその日に何を一番伝えたいのかを聴き逃さないように客観的な視点を持つようにされていることも印象的でした。自宅でも、施設でも、ご本人の希望を一番に考え、適切な医療ケアを受けることができる、それが在宅医療の良さなのかもしれません。先生が思い描くように、将来、在宅医療が診療所の当たり前の機能になり、診療所で働く在宅医師も当たり前の存在になるといいですね。
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☆番組を聴き逃した方、もう一度聴きたい方は、こちらをクリックしてください☆ ←番組視聴ページのリンクです。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。

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2nd Season 第17回は、長浜市の浅井東診療所の医師 松井善典先生にお話を伺いました。浅井東診療所では、松井先生を含めた2名の医師で外来診療、および月に40~50件の訪問診療を行っていらっしゃいます。
「地域の特徴はどんなところですか」
浅井東診療所に来られる患者さんは、この地域に何代にも渡って住まれている方が多いので、僕たちが土地に感じている愛着と患者さんたちが感じている愛着は違うなぁと思います。例えば、「畑に行く」というのは野菜を作りに行くというイメージがありますが、患者さんたちにとってはそうではなくて、土に触れることで元気になるという意味があり、その土地の自然とともに生きてきた方々がそこで療養されているのだなと思います。
「医師として心掛けていることとは」
外来でも在宅医療でも大事にしていることは、その日、患者さんが何を一番伝えたいのかお話したいのかということに耳を傾けることです。体調の不安はもちろんですが、医師に対する期待も含めて聞かなければならないと思っています。これは、自分が北海道でトレーニングを受けた時のことなんですが、診察をビデオに撮った後で見直したことがあります。そこには何か患者さんが言おうとしているのに全く気づかずにしゃべっていた自分の姿がありました。それ以来、目の前に患者さんが居てしゃべっている景色ともう一つの別の景色を意識しています。そうすることで、もう少し待った方がいいとか、これは何か大事なことを話そうとされていることに気がついたりすることがあります。特に赴任して間もないころは、どこまで話したらいいのだろうかと探りながら患者さんが話しておられるなと感じていましたので、あまり深入りしないようにしました。でも時に決断をしなくてはいけなかったり、方針を変えなければならないときには、ぐっと深く質問をして考えていただいて、患者さんから丁寧に答えをもらうやり取りを大事にしています。

「印象的な在宅医療の患者さんとは」
ご家族の物語があって、それは本来ならもう医療者は関係のないものなのですが、そこに少し自分が入ることができた時はとても印象に残ります。例えば、西国三十三ヵ所を巡ると決めていた患者さんご夫婦がいらっしゃって、和歌山のお寺を回られていた時に発病して、それから闘病、療養、そして看取りが近くなってご自宅に戻っていらっしゃいました。その時に「あるお寺に行けるだろうか」とのお話があって、そこで少し迷ったんですが「ぜひ、雨でもこの週末に行って来てください」と話しました。それが三十三番目の最後のお寺だったこともあって、患者さんのどうしても行きたいという気持ちの後押しができたことは、医師として何か診断したり何かいい処方ができたわけではありませんが、患者さんとそのご家族の物語を止めることなく、悔いを残すことなく、ほんの少し医療者の持っている力を上手く使えたかなと思います。
また、特別養護老人ホームが診療所の近くにあります。そこでは年間20~40件ほどの看取りがあります。在宅看取りは、お家での看取りだけではなく、こういったホームでの看取りも広い意味で入ると思います。施設での看取りと聞くとネガティブなイメージが強いかもしれませんが、私たちが連携しているその特別養護老人ホームでは、「豊かな看取りを提供しよう」と一丸となって努めています。具体的には看取りが近くなった時、患者さんのご家族に施設へ来ていただいてインタビューをさせていただきます。昔作った趣味の作品だとか、お孫さんが作ったものだったりとか、患者さんが生業としていた仕事の衣装などをお部屋に置いておくと、ご家族同士やご家族と施設のスタッフとの交流も生まれます。私達医師も、施設のお部屋というよりはご自宅にお邪魔させてもらっているように感じます。患者さんの昔の姿を形どる思い出の小道具みたいなものがあると、家族さんもホッとして普段なら出ない語りが出たりして、それを聞いているスタッフが患者さんに対するケアの気持ちが変わったりするのを感じます。そういう意味で、ご自宅だけではなく、施設の看取りの中でもやりがいを感じていい経験をさせてもらっているなと思います。
「後進を育てる」
大学での教育と診療所での教育にも力を入れています。
大学での教育は、5回生を対象に、外来診療と在宅医療の事例で半年~数年の物語を3時間につめこんで「皆さんだったらどうしますか」という疑似体験の講義を2週間に1度行っています。
診療所での教育は、在宅医療に興味のある学生さんが1日~2週間ほど泊まり込みで学びに来られています。地域医療の現場を肌で感じてもらって時には診察も一緒にしてもらって、大学では学べないこともたくさんある場所ですので勉強してもらっています。
私もそうだったんですが、大学でも低学年のうちは地域医療や在宅医療は古き良きお医者さんのイメージで「なりたい!」という学生さんが多いかと思います。ただ、学年が上がっていくと出会う先生方が大学病院で働いているスペシャリストの先生方なのでそういった専門医の先生をお手本にしていくために、在宅医療などは選択肢から外れていく傾向があります。ですので、自分のような医師が大学に行って学生たちの前に立ったり、また、診療所に来てもらって仕事ぶりを見てもらうということで、地域医療、在宅医療も医師の道の一つなんだと提示できるといいなと思っています。
「診療所での実習前と後の学生たちの変化について」
診療所実習は、医学生たちを化けさせます。今まで何か遠くにしまっていたものが表に出たり、医学生生活の中で課題として抱えていたものをクリアにしたりと、非常に成長や飛躍を遂げる場になっていると感じています。例えば、診療所実習によって、自分は医師になるんだというプロ意識を覚える学生さんもいます。また、自分は医師に向いていないのではないかと悩んでいた学生さんがやはり医師としてこれから社会の中で責任を果たしていきたいという気持ちになるきっかけになったりします。何か知識が増えたり技術が身につくという実習ではありませんが、医師としての在り方や心根を刺激する学習環境だと思います。実際に現場に連れていくことで、「自分がこれまで抱いていた地域で働くお医者さんのイメージは間違ってました」と言う学生さんもいます。現場で学生さんが感じるものが本物だと思います。
「これからの在宅医療」
診療所には外来診療や予防医療、一時救急などたくさんの機能がありますが、在宅医療も当たり前の機能として存在するべきだと思います。同時に、学生さんたちにも診療所で働くお医者さんというものを当たり前の選択肢として考えてもらえるようなプログラムや体制をしっかりつくって、人材を育てていきたいと思います。
「松井さんにとって看取りとは」
外来診療から訪問診療に移る患者さん。自宅から施設に移る患者さん。いろんな流れが合ってその中でケアが続いていきますが、看取りは一つの終着点になると思います。一方でそこから始まる新たなつながりやチームワークもありますので、私にとって看取りとは医師としての大事な節目かなと思います。
「取材を終えて」
柔らかく心に染み込んでいくような語り口調が印象的な松井先生。あくまで患者さんの目線でその気持ちを考えることを目指して家庭医の普及に努めていらっしゃいます。実は番組始まって以来最年少のお医者さんでもありますが、人と人が寄り添う原点を教えていただいた気がしました。同じ湖北人としてちょっぴり誇らしげな気持ちにもなったりと、私自身も住み慣れた地域の新たな良さを実感させていただきました。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
松井先生の診療所では、2人のお医者さんが外来診療と訪問診療を交代でされているんですね。2人いることで、外来診療と訪問診療の両方を切れ目なくカバーできるし、滋賀の地域性も知り、患者さんに寄り添える在宅のお医者さんの養成もできるんですね。また、患者さんがその日に何を一番伝えたいのかを聴き逃さないように客観的な視点を持つようにされていることも印象的でした。自宅でも、施設でも、ご本人の希望を一番に考え、適切な医療ケアを受けることができる、それが在宅医療の良さなのかもしれません。先生が思い描くように、将来、在宅医療が診療所の当たり前の機能になり、診療所で働く在宅医師も当たり前の存在になるといいですね。
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2nd Season #16 子育てと、介護と。
2014年12月21日
みなさま、お元気ですか? 小野千穂です。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。
よろしくぴよ♪
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2nd Season 第16回は、在宅介護・看取りのご経験者の会である栗東介護者の会会長で介護福祉士の渡部弘美(わたなべ ひろみ)さんと、当時のケアマネジャーで、真下(ましも)胃腸科医院の看護師 近藤常代(こんどう つねよ)さんにお話を伺いました。 渡部さんの義理のお母さんは、14年間在宅療養をされていました。
「在宅療養のきっかけは?」
主人の両親を平成7年に愛媛県松山市から引き取ることになってその時から在宅で介護が始まりました。義母はもともと視力が弱くて下半身が不自由ということもあって最初から車椅子の生活でした。両親を引き取った当時、3歳と5歳の子育て中だったので、全てが同時進行でただただめまぐるしい毎日でした。(渡部さん)
渡部さんは小さいお子さん達を抱えて、そこに要介護5のお義母さんが来られて、よくがんばっておられるなと思いました。(近藤さん)
渡部さん(左)と近藤さん(右)
「在宅療養で心強かったことは」
当時は介護保険も始まっていなかったのでサービスも少なく、ほとんど自宅で看ていました。また、マンション住まいで介護をされているご近所さんは少なくて、自分の年代ではほとんどいなかったので模索状態でした。その後、徐々にサービスも増えていって、ショートステイなどいろんな情報をケアマネジャーさんからいただいて助かりました。特に、担当の近藤さんが「携帯番号を教えるから何かあったらいつでも電話してね」と言ってくださって、すごく安心しました。(渡部さん)
「ご家族の反応は」
義母本人は、息子や孫と一緒に住むことができたので喜んでいました。また、子どもたちにとって、小さい頃に祖父母と同居したことはとても良かったです。引き取った時に義両親は89歳と72歳。子どもたちにとっては、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんのような年代でした。「何かをしてくれる祖父母」ではなく、「お世話をしてあげる祖父母」でしたので、自然に人に対する優しさを育むことができました。一方で、大きくなってから学校で何か辛いことがあった時、おばあちゃんのほっぺを触りながらおしゃべりすることで娘自身も癒されていたので、おばあちゃんは我が家で大きな役目を果たしてくれていたんだなと思います。(渡部さん)
「在宅療養をすることで、変化はありましたか」
義母はアルツハイマーを発症して寝たきり状態になって余命3カ月と宣告されましたが、その後8年間家で過ごすことができました。また、私がパートに出たりするようになったら主人が義母の食事の世話をしてくれたり、成長した子どもができることをしてくれるようになって、みんなが自然に少しずつ介護に関わることができるようになりました。(渡部さん)
(ご自宅で過ごすお義母さんは)ストレスを感じているように見えなかったです。とても自然体で、そんなお義母さんを渡部さんがそのまま受け止めているような印象がありました。(近藤さん)
「主婦から介護福祉士へ」
介護が始まった最初の大変な頃に、周りの方は皆さん自分の時間を持っていろんなことをされていて、自分だけが社会から置いてかれたような気持ちになっていたのですが、ちょうどマンションの一階にヘルパーの講座が開かれることになって「あ!これはきっと私のためだ!」と思って通うようになりました。もともとは、何もわからずに始めた介護をより安全に続けるために知識や技術を身につけようと思っていたのですが、忘れないために少しでも仕事をした方がいいのかな?と思って訪問介護のお仕事を始めました。
仕事をしてみて思ったのは、利用者さんだけでなく家族さんの思いも自分自身の経験から理解できるかなと。その点は大きかったなと思います。
最初はどうなることかと思いましたが、義両親の介護がきっかけで現在も介護福祉士の道を歩むことができて、私の人生も大きく変化しました。おじいちゃんおばあちゃんのおかげでいっぱい宝をもらったなと思います。(渡部さん)
「ストレス解消法」
介護をする上でどうしてもたまってしまうストレスを解消するために、帰宅した主人に「今日は褒めてね!」とお願いしてみました。最初は主人も戸惑っていましたが、そのうち夜になると「ヘルパー会議してください」と声をかけてくれるようになって、「今日もお疲れさまでした」と言ってくれるようになりました。すると自分も「明日も頑張ろう!」と気持を区切ることができたんです。その日のうちに解消すること、誰かに聞いてもらうことが大事かなと思います。また、子育てとの両立というよりは、どちらかに意識が集中して行き詰ってしまうことがないように、どちらも同時進行だったから良かったのかなと思います。(渡部さん)
渡部さんが介護を始められたころよりも今はサービスも充実してますし、在宅療養を可能にする環境はかなり整っていると思います。子育てと介護とどちらもというのは大変だと思いますが、渡部さんのように前向きにすることでいいこともたくさんあるのではと思います。(近藤さん)
「おふたりにとって在宅療養とは」
一人で抱え込まないでいろんなサービスを利用しながら無理せず家族で協力し合いながら介護ができるのが一番かなと思います。(渡部さん)
在宅療養をして看取られたご家族の方はみなさん「良かった」と話されます。容体が悪くなったら病院に入ることもできますし、ご本人もご家族も無理されないことが大切だと思います。(近藤さん)
「取材を終えて」
ちょうど5歳の娘を持つ母として、インタビュー中も自分だったら子育てと介護と同時にできるのかなと問いかけていました。決して他人事ではなく、誰にでも起こりうることだと思います。だからこそ、マイナスばかり意識せずに渡部さんのようにできるだけプラスに考えていくことが大事なのでしょう。また、日々揺れ動く気持ちを聞いてもらう相手も必要です。そのために今できることは心を開いて話すことのできる人との絆を育むことなのかもしれません。身近にいてくれる方達に感謝して、一日一日を丁寧に生きていきたいと思います。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
渡部さんは子育てと介護を両立されていたんですね。すごく大変なことだと思いますが、おばあちゃんと一緒に住むことで、お子さんの成長にもいい影響があったり、渡部さんご自身のお仕事につながったりして、介護をすることで宝物をもらったと話されていたのが印象的でした。その一方でストレスも感じられていてご主人に話すことで区切りをつけるなど、その人なりのストレス解消法を見つけることも大切なんですね。家族で共有して助け合うこと、また、いろんなサービスを活用することでよりよい在宅療養につながるのではないでしょうか。
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Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。

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2nd Season 第16回は、在宅介護・看取りのご経験者の会である栗東介護者の会会長で介護福祉士の渡部弘美(わたなべ ひろみ)さんと、当時のケアマネジャーで、真下(ましも)胃腸科医院の看護師 近藤常代(こんどう つねよ)さんにお話を伺いました。 渡部さんの義理のお母さんは、14年間在宅療養をされていました。
「在宅療養のきっかけは?」
主人の両親を平成7年に愛媛県松山市から引き取ることになってその時から在宅で介護が始まりました。義母はもともと視力が弱くて下半身が不自由ということもあって最初から車椅子の生活でした。両親を引き取った当時、3歳と5歳の子育て中だったので、全てが同時進行でただただめまぐるしい毎日でした。(渡部さん)
渡部さんは小さいお子さん達を抱えて、そこに要介護5のお義母さんが来られて、よくがんばっておられるなと思いました。(近藤さん)

「在宅療養で心強かったことは」
当時は介護保険も始まっていなかったのでサービスも少なく、ほとんど自宅で看ていました。また、マンション住まいで介護をされているご近所さんは少なくて、自分の年代ではほとんどいなかったので模索状態でした。その後、徐々にサービスも増えていって、ショートステイなどいろんな情報をケアマネジャーさんからいただいて助かりました。特に、担当の近藤さんが「携帯番号を教えるから何かあったらいつでも電話してね」と言ってくださって、すごく安心しました。(渡部さん)
「ご家族の反応は」
義母本人は、息子や孫と一緒に住むことができたので喜んでいました。また、子どもたちにとって、小さい頃に祖父母と同居したことはとても良かったです。引き取った時に義両親は89歳と72歳。子どもたちにとっては、ひいおじいちゃん、ひいおばあちゃんのような年代でした。「何かをしてくれる祖父母」ではなく、「お世話をしてあげる祖父母」でしたので、自然に人に対する優しさを育むことができました。一方で、大きくなってから学校で何か辛いことがあった時、おばあちゃんのほっぺを触りながらおしゃべりすることで娘自身も癒されていたので、おばあちゃんは我が家で大きな役目を果たしてくれていたんだなと思います。(渡部さん)
「在宅療養をすることで、変化はありましたか」
義母はアルツハイマーを発症して寝たきり状態になって余命3カ月と宣告されましたが、その後8年間家で過ごすことができました。また、私がパートに出たりするようになったら主人が義母の食事の世話をしてくれたり、成長した子どもができることをしてくれるようになって、みんなが自然に少しずつ介護に関わることができるようになりました。(渡部さん)
(ご自宅で過ごすお義母さんは)ストレスを感じているように見えなかったです。とても自然体で、そんなお義母さんを渡部さんがそのまま受け止めているような印象がありました。(近藤さん)
「主婦から介護福祉士へ」
介護が始まった最初の大変な頃に、周りの方は皆さん自分の時間を持っていろんなことをされていて、自分だけが社会から置いてかれたような気持ちになっていたのですが、ちょうどマンションの一階にヘルパーの講座が開かれることになって「あ!これはきっと私のためだ!」と思って通うようになりました。もともとは、何もわからずに始めた介護をより安全に続けるために知識や技術を身につけようと思っていたのですが、忘れないために少しでも仕事をした方がいいのかな?と思って訪問介護のお仕事を始めました。
仕事をしてみて思ったのは、利用者さんだけでなく家族さんの思いも自分自身の経験から理解できるかなと。その点は大きかったなと思います。
最初はどうなることかと思いましたが、義両親の介護がきっかけで現在も介護福祉士の道を歩むことができて、私の人生も大きく変化しました。おじいちゃんおばあちゃんのおかげでいっぱい宝をもらったなと思います。(渡部さん)
「ストレス解消法」
介護をする上でどうしてもたまってしまうストレスを解消するために、帰宅した主人に「今日は褒めてね!」とお願いしてみました。最初は主人も戸惑っていましたが、そのうち夜になると「ヘルパー会議してください」と声をかけてくれるようになって、「今日もお疲れさまでした」と言ってくれるようになりました。すると自分も「明日も頑張ろう!」と気持を区切ることができたんです。その日のうちに解消すること、誰かに聞いてもらうことが大事かなと思います。また、子育てとの両立というよりは、どちらかに意識が集中して行き詰ってしまうことがないように、どちらも同時進行だったから良かったのかなと思います。(渡部さん)
渡部さんが介護を始められたころよりも今はサービスも充実してますし、在宅療養を可能にする環境はかなり整っていると思います。子育てと介護とどちらもというのは大変だと思いますが、渡部さんのように前向きにすることでいいこともたくさんあるのではと思います。(近藤さん)
「おふたりにとって在宅療養とは」
一人で抱え込まないでいろんなサービスを利用しながら無理せず家族で協力し合いながら介護ができるのが一番かなと思います。(渡部さん)
在宅療養をして看取られたご家族の方はみなさん「良かった」と話されます。容体が悪くなったら病院に入ることもできますし、ご本人もご家族も無理されないことが大切だと思います。(近藤さん)
「取材を終えて」
ちょうど5歳の娘を持つ母として、インタビュー中も自分だったら子育てと介護と同時にできるのかなと問いかけていました。決して他人事ではなく、誰にでも起こりうることだと思います。だからこそ、マイナスばかり意識せずに渡部さんのようにできるだけプラスに考えていくことが大事なのでしょう。また、日々揺れ動く気持ちを聞いてもらう相手も必要です。そのために今できることは心を開いて話すことのできる人との絆を育むことなのかもしれません。身近にいてくれる方達に感謝して、一日一日を丁寧に生きていきたいと思います。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
渡部さんは子育てと介護を両立されていたんですね。すごく大変なことだと思いますが、おばあちゃんと一緒に住むことで、お子さんの成長にもいい影響があったり、渡部さんご自身のお仕事につながったりして、介護をすることで宝物をもらったと話されていたのが印象的でした。その一方でストレスも感じられていてご主人に話すことで区切りをつけるなど、その人なりのストレス解消法を見つけることも大切なんですね。家族で共有して助け合うこと、また、いろんなサービスを活用することでよりよい在宅療養につながるのではないでしょうか。
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2nd Season #15 創作落語 『天国からの手紙』
2014年12月14日
みなさま、お元気ですか? 小野千穂です。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。
よろしくぴよ♪
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2nd Season 第15回は、11月15日に野洲文化小劇場で行われた「滋賀の医療福祉を守り育てる」県民フォーラムの模様と、当日、創作落語をご披露してくださった社会人落語家で行政書士の天神亭きよ美さんのインタビューをお届けしました。
「天国からの手紙という創作落語の内容は?」
相続、遺言をテーマに、ご家族の方のことを考えていただけるように作りました。あるお母さんが病院で子どもたちに見守られながら息を引き取ります。その後、お母さんは天国から子どもたちの様子を見ていて、どうも相続の争いをしているようだと。遺言書を書いてこなかったことに気がついて、天国の入り口で天国の案内人に遺言書の書き方を習います。そこで急遽、遺言書を作成して病室に置きに行くんですが、その時に、子どもたちへの手紙も一緒に届けます。お母さんは天国に戻って見守る中、子どもたちがその遺言と手紙の存在に気がついて、お母さんの気持ちがわかって一件落着です。
「この創作落語はどうやってできたのですか?」
行政書士になって1年ほど経ったころに、ある葬祭業者さんがされているイベントで相続セミナーに参加しました。そこに東京から噺家さんが来られて、相続についての落語を披露されました。そしてその後、法律の専門家の方が法的な説明をされていたんです。当時、落語を習っていた私は、行政書士でもあるので「これだったら落語も法律の話も自分で全てできるかも!」と思いました。そこでそれをきっかけに落語をつくりました。
天神亭さん
「エンディングノートの良さとは」
エンディングノートは死ぬために書くわけではありません。人生のゴールである死に向かって、自分は人生をどんなふうにゴールしたいのか、今後の人生をどんなふうに生きたいのか。「生きるために」書くものです。具体的には、ご自身の人生を振り返って自分のことを書いていただく項目があります。それは自分の人生と向き合うという作業でもあります。そうすることでこの後の人生をどう生きていきたいのかが考えられますし、小さい頃の自分を振り返ることで、自分はこんなことをやってみたかったんだと思い出すことができます。エンディングノートを書くタイミングですが、高齢者に限りません。若い方でも書く意義はあると思います。今の自分の5年後、10年後を考えるためにも活用して頂けると思います。
「生と死と。 」
死とは、「生ききる」ことだと思います。どんな風に最後まで生きたいのか。まずは自分自身で考えてみることが必要だと思います。その選択肢はいろいろあります。病院で、また自宅で、状況によって気持ちは揺れ動くと思いますが、その時々の自分の気持ちに寄り添った道をたどることが大事かなと思います。
「天神亭さんにとって看取りとは」
私は主人に看取られて天国にいくことを考えています。人は一人ではありません。独居の場合でも生きている間に周りの方たちとよい人間関係を作って、その方々に見守られながら亡くなることがいいのではないかなと思います。
「取材を終えて」
さすが噺家さんです。インタビューも穏やかな川の流れのように進みました。ご自身のさまざまな職業経験や人との出会い、きっかけの中で何度も自分と向き合い、そのたびに選択してきたその道は、深く温かいものだったのでしょう。ご主人との信頼を支えに、これからも「語る」日々を過ごされることと思います。死ぬことは生ききること。自分らしく、大切な人とのふれあいの中で。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
きよ美さんは、行政書士として働きながら社会人落語家をされています。両方をされているからこそ、今回の遺言・相続をテーマにした創作落語ができたんですね。一方で、エンディングノートは、死ぬために書くのではなく、今後の人生をいかに生ききりたいのかを書くもの。そのエンディングノートを書くことで自分自身や自分の人生について改めて向き合うきっかけにもなります。普段からどう生きたいのかを家族や親しい人達と話しておくことは必要なことかもしれませんね。
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☆遺言書とエンディングノートの違いについて☆
遺言書は法的効力があるのに対し、エンディングノートには法的効力はありません。そのため、エンディングノートには決まった書式はなく、自分の人生や出会いを振り返り、家族への想いを伝えたり、写真を貼るスペースをつくるなど、様々なことを書き記すことができます。エンディングノートは書店で販売されているほか、インターネットなどにも掲載されています。自分らしく人生を生きるために、自分に合ったものを選んだり、自分で作成することが大事です。
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Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。

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2nd Season 第15回は、11月15日に野洲文化小劇場で行われた「滋賀の医療福祉を守り育てる」県民フォーラムの模様と、当日、創作落語をご披露してくださった社会人落語家で行政書士の天神亭きよ美さんのインタビューをお届けしました。
「天国からの手紙という創作落語の内容は?」
相続、遺言をテーマに、ご家族の方のことを考えていただけるように作りました。あるお母さんが病院で子どもたちに見守られながら息を引き取ります。その後、お母さんは天国から子どもたちの様子を見ていて、どうも相続の争いをしているようだと。遺言書を書いてこなかったことに気がついて、天国の入り口で天国の案内人に遺言書の書き方を習います。そこで急遽、遺言書を作成して病室に置きに行くんですが、その時に、子どもたちへの手紙も一緒に届けます。お母さんは天国に戻って見守る中、子どもたちがその遺言と手紙の存在に気がついて、お母さんの気持ちがわかって一件落着です。
「この創作落語はどうやってできたのですか?」
行政書士になって1年ほど経ったころに、ある葬祭業者さんがされているイベントで相続セミナーに参加しました。そこに東京から噺家さんが来られて、相続についての落語を披露されました。そしてその後、法律の専門家の方が法的な説明をされていたんです。当時、落語を習っていた私は、行政書士でもあるので「これだったら落語も法律の話も自分で全てできるかも!」と思いました。そこでそれをきっかけに落語をつくりました。


「エンディングノートの良さとは」
エンディングノートは死ぬために書くわけではありません。人生のゴールである死に向かって、自分は人生をどんなふうにゴールしたいのか、今後の人生をどんなふうに生きたいのか。「生きるために」書くものです。具体的には、ご自身の人生を振り返って自分のことを書いていただく項目があります。それは自分の人生と向き合うという作業でもあります。そうすることでこの後の人生をどう生きていきたいのかが考えられますし、小さい頃の自分を振り返ることで、自分はこんなことをやってみたかったんだと思い出すことができます。エンディングノートを書くタイミングですが、高齢者に限りません。若い方でも書く意義はあると思います。今の自分の5年後、10年後を考えるためにも活用して頂けると思います。
「生と死と。 」
死とは、「生ききる」ことだと思います。どんな風に最後まで生きたいのか。まずは自分自身で考えてみることが必要だと思います。その選択肢はいろいろあります。病院で、また自宅で、状況によって気持ちは揺れ動くと思いますが、その時々の自分の気持ちに寄り添った道をたどることが大事かなと思います。
「天神亭さんにとって看取りとは」
私は主人に看取られて天国にいくことを考えています。人は一人ではありません。独居の場合でも生きている間に周りの方たちとよい人間関係を作って、その方々に見守られながら亡くなることがいいのではないかなと思います。
「取材を終えて」
さすが噺家さんです。インタビューも穏やかな川の流れのように進みました。ご自身のさまざまな職業経験や人との出会い、きっかけの中で何度も自分と向き合い、そのたびに選択してきたその道は、深く温かいものだったのでしょう。ご主人との信頼を支えに、これからも「語る」日々を過ごされることと思います。死ぬことは生ききること。自分らしく、大切な人とのふれあいの中で。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
きよ美さんは、行政書士として働きながら社会人落語家をされています。両方をされているからこそ、今回の遺言・相続をテーマにした創作落語ができたんですね。一方で、エンディングノートは、死ぬために書くのではなく、今後の人生をいかに生ききりたいのかを書くもの。そのエンディングノートを書くことで自分自身や自分の人生について改めて向き合うきっかけにもなります。普段からどう生きたいのかを家族や親しい人達と話しておくことは必要なことかもしれませんね。
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☆遺言書とエンディングノートの違いについて☆
遺言書は法的効力があるのに対し、エンディングノートには法的効力はありません。そのため、エンディングノートには決まった書式はなく、自分の人生や出会いを振り返り、家族への想いを伝えたり、写真を貼るスペースをつくるなど、様々なことを書き記すことができます。エンディングノートは書店で販売されているほか、インターネットなどにも掲載されています。自分らしく人生を生きるために、自分に合ったものを選んだり、自分で作成することが大事です。
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2nd Season #14 歌う介護福祉士さん
2014年12月07日
みなさま、お元気ですか? 小野千穂です。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。
よろしくぴよ♪
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2nd Season 第12回は、東近江市なるデイサービスセンター 七彩(なないろ)で介護職をされている清水淳子(しみず あつこ)さんにお話を伺いました。
「普段のお仕事の内容は?」
お仕事という概念ではなくて、みなさん(ご利用者さん)が居らしてくださるので、みんなで元気に楽しいことをワイワイしています。みなさんの気づきや思いやりがこのセンターの中で生き生きと実践されています。例えば、「紅葉が綺麗ね」と会話の中であったら、今日のケアプランに急遽取り入れて紅葉見物に行ったりとか、「糸きり餅が食べたい!」と言う方がいらっしゃったので多賀大社に行ってみたりとか。家族以上に長い時間過ごしていますので、できるかぎり柔軟に対応しています。
「歌を歌う介護福祉士さん?」
例えば、ご利用者さんから「財布を無くしたの」という話を3回続けて聞いたら、介護者としてはなんと答えたらいいかわからなくなりますよね。そんな時に、「菜の花畑の~♪」とお歌を歌うことで、一緒に歌ったり、他の曲も出てきたりして、その方の意識がお財布から離れますよね。ですので、普段から突然歌うのが日常になっているんです。
清水さん
「介護はアート!」
音楽の道を学生時代、歩んできましたが、私の中で音楽も介護もアートなんです。私はピアノを弾いていたこの手で、素晴らしく快適にオムツを交換してさしあげます。以前修行させてもらった特別養護老人ホームでは、「(この人には介護の仕事は)長続きしないだろう」と言われたこともありましたが、私はみなさんに助けていただいたから楽しくて仕方がなかったんです。例えば、ご利用者さんが排便をされる合間に「Oh~シャンゼリゼ~♪」とか歌いながら綺麗にしてさしあげると、ご利用者さんからなんだかおもしろそうだなって思ってもらえます。そうして何度か繰り返すとその方がお好きな音楽を知ることもできます。抒情歌から演歌まで。歌っている間にお尻を拭いて差し上げて「ハイ!終わりました!」と。私が一番嫌だなと思うのは、ご利用者さんが介護者に対して、そういう作業を「させてしまってごめんね」と感じられることなんです。だから、「緑の丘の~♪」とか明るく歌って、排泄の時間も楽しいものにしていきたいんです。
「歌の力で在宅支援」
ずっと七彩へ来てくださっていた方が体調を崩されてご自宅から出られなくなる場合もあります。そんな時、デイサービスへ来られないからといって私たちの絆が無くなるわけではないと思うんです。だから、ご自宅へ伺ってお歌を歌うことは全く自然なことだと思うのです。ご利用者さんは言葉が出なくなっても、手を握りながら、拍子をとりながら音楽を感じることができるんです。実際にお家で歌わせてもらった時も、リズムと一緒に普段は動きにくい手足が反応したりして、ご家族の方も驚かれます。
「音楽家から介護福祉士へ」
介護の世界に入ったのは、音楽療法士の勉強をしていた時に訪れたイタリアの体験がきっかけです。王族サボイア家が後援している精神病院があるのですが、人工的なものをできるだけ使わずに、人の声の持つ温かさで患者さんを包み込むという癒しの心に共感しました。私たちは辛いことや嫌なことがあっても、コンサートに行ったり美味しいものを食べたりするとリフレッシュできます。でも、施設にいらっしゃる方は、お辛いことがあると引きずってしまう。そこで、少しでも辛いことを無くしてもらうためにお声を出していただいたり、うんと笑っていただいたりそんなことがあってもいいんじゃないかなと。だから音楽療法士としてではなく、まずは車椅子のお掃除やトイレの掃除をさせてください!と、介護の世界へ飛び込みました。
施設での介護の修業時代に私が一番好きだったのは、入浴介助です。マンツーマンで向き合えるお時間なので、いろんな歌を歌うことでご利用者さんの好き嫌いもわかりますし、昔のお話を聞くこともできます。お体のマッサージでほぐしてさし上げながら民謡を歌ったりもします。たまに「ハァ~コリャコリャ」とか、合いの手も入れてもらえたりして。言葉が無くても気持ちが繋がっているなって。
「清水さんにとって歌とは」
いつも歌に助けられてきました。音楽療法士の中に、同質の原理というのがあります。悲しい時は悲しい曲を。泣きたいときは泣ける歌を。涙には浄化作用があります。思い切り泣くことでスッキリすることもあります。その方の心理にこちらがどこまで添わせていただけるのか。そこを大切にしたいです。
「清水さんにとって在宅療養とは」
命が終わる最期まで生きていてくださる証をそこに見つけていくことだと思います。先日も、お亡くなりになった方がいらっしゃったのですが、前日の夕方までみんなでお歌のお稽古をしていました。そして次の日の朝に意識が無くなっていました。でも悲壮感は漂っていませんでした。ご自分の生き方を全うされました。ですから、在宅療養に入られたとしても、その方なりの流儀で最期まで堂々と生きていただきたいと思います。
「取材を終えて」
輝くような笑顔と歌声。インタビューの時間も、清水さんにかかるとまるでミュージカルのような壮大なものに早変わりしました。一つの物事を全く違う方向から見ることの大切さを改めて感じさせていただきました。年をとること、体が弱っていくこと、誰かのお世話になることはとても自然なことで、決して恥ずかしいことではありません。人として基礎となるその心構えを音楽を通して私たちに伝えてくださいました。音楽も介護もアート。心に刻みたい言葉です。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
清水さんにとって、デイサービスでのケアはお仕事という感覚ではなくて、一緒に楽しいことをしているという感覚なんですね。歌によって清水さんにとっても患者さんにとっても日々のケアが楽しいものになっている。デイサービスセンターに来ることができなくなった患者さんのお宅で歌を歌うと、握っている患者さんの手が歌のリズムを刻んでいたり、言葉が話せなくても音楽でコミュニケーションをとられているんですね。例えば歌であったり、患者さん本人が楽しくなることを取り入れることは、よりより在宅療養となり、患者さんがその人なりに最期まで生き抜いてもらうことにつながるのかもしれませんね。
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☆番組を聴き逃した方、もう一度聴きたい方は、こちらをクリックしてください☆ ←番組視聴ページのリンクです。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。

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2nd Season 第12回は、東近江市なるデイサービスセンター 七彩(なないろ)で介護職をされている清水淳子(しみず あつこ)さんにお話を伺いました。
「普段のお仕事の内容は?」
お仕事という概念ではなくて、みなさん(ご利用者さん)が居らしてくださるので、みんなで元気に楽しいことをワイワイしています。みなさんの気づきや思いやりがこのセンターの中で生き生きと実践されています。例えば、「紅葉が綺麗ね」と会話の中であったら、今日のケアプランに急遽取り入れて紅葉見物に行ったりとか、「糸きり餅が食べたい!」と言う方がいらっしゃったので多賀大社に行ってみたりとか。家族以上に長い時間過ごしていますので、できるかぎり柔軟に対応しています。
「歌を歌う介護福祉士さん?」
例えば、ご利用者さんから「財布を無くしたの」という話を3回続けて聞いたら、介護者としてはなんと答えたらいいかわからなくなりますよね。そんな時に、「菜の花畑の~♪」とお歌を歌うことで、一緒に歌ったり、他の曲も出てきたりして、その方の意識がお財布から離れますよね。ですので、普段から突然歌うのが日常になっているんです。


「介護はアート!」
音楽の道を学生時代、歩んできましたが、私の中で音楽も介護もアートなんです。私はピアノを弾いていたこの手で、素晴らしく快適にオムツを交換してさしあげます。以前修行させてもらった特別養護老人ホームでは、「(この人には介護の仕事は)長続きしないだろう」と言われたこともありましたが、私はみなさんに助けていただいたから楽しくて仕方がなかったんです。例えば、ご利用者さんが排便をされる合間に「Oh~シャンゼリゼ~♪」とか歌いながら綺麗にしてさしあげると、ご利用者さんからなんだかおもしろそうだなって思ってもらえます。そうして何度か繰り返すとその方がお好きな音楽を知ることもできます。抒情歌から演歌まで。歌っている間にお尻を拭いて差し上げて「ハイ!終わりました!」と。私が一番嫌だなと思うのは、ご利用者さんが介護者に対して、そういう作業を「させてしまってごめんね」と感じられることなんです。だから、「緑の丘の~♪」とか明るく歌って、排泄の時間も楽しいものにしていきたいんです。
「歌の力で在宅支援」
ずっと七彩へ来てくださっていた方が体調を崩されてご自宅から出られなくなる場合もあります。そんな時、デイサービスへ来られないからといって私たちの絆が無くなるわけではないと思うんです。だから、ご自宅へ伺ってお歌を歌うことは全く自然なことだと思うのです。ご利用者さんは言葉が出なくなっても、手を握りながら、拍子をとりながら音楽を感じることができるんです。実際にお家で歌わせてもらった時も、リズムと一緒に普段は動きにくい手足が反応したりして、ご家族の方も驚かれます。
「音楽家から介護福祉士へ」
介護の世界に入ったのは、音楽療法士の勉強をしていた時に訪れたイタリアの体験がきっかけです。王族サボイア家が後援している精神病院があるのですが、人工的なものをできるだけ使わずに、人の声の持つ温かさで患者さんを包み込むという癒しの心に共感しました。私たちは辛いことや嫌なことがあっても、コンサートに行ったり美味しいものを食べたりするとリフレッシュできます。でも、施設にいらっしゃる方は、お辛いことがあると引きずってしまう。そこで、少しでも辛いことを無くしてもらうためにお声を出していただいたり、うんと笑っていただいたりそんなことがあってもいいんじゃないかなと。だから音楽療法士としてではなく、まずは車椅子のお掃除やトイレの掃除をさせてください!と、介護の世界へ飛び込みました。
施設での介護の修業時代に私が一番好きだったのは、入浴介助です。マンツーマンで向き合えるお時間なので、いろんな歌を歌うことでご利用者さんの好き嫌いもわかりますし、昔のお話を聞くこともできます。お体のマッサージでほぐしてさし上げながら民謡を歌ったりもします。たまに「ハァ~コリャコリャ」とか、合いの手も入れてもらえたりして。言葉が無くても気持ちが繋がっているなって。
「清水さんにとって歌とは」
いつも歌に助けられてきました。音楽療法士の中に、同質の原理というのがあります。悲しい時は悲しい曲を。泣きたいときは泣ける歌を。涙には浄化作用があります。思い切り泣くことでスッキリすることもあります。その方の心理にこちらがどこまで添わせていただけるのか。そこを大切にしたいです。
「清水さんにとって在宅療養とは」
命が終わる最期まで生きていてくださる証をそこに見つけていくことだと思います。先日も、お亡くなりになった方がいらっしゃったのですが、前日の夕方までみんなでお歌のお稽古をしていました。そして次の日の朝に意識が無くなっていました。でも悲壮感は漂っていませんでした。ご自分の生き方を全うされました。ですから、在宅療養に入られたとしても、その方なりの流儀で最期まで堂々と生きていただきたいと思います。
「取材を終えて」
輝くような笑顔と歌声。インタビューの時間も、清水さんにかかるとまるでミュージカルのような壮大なものに早変わりしました。一つの物事を全く違う方向から見ることの大切さを改めて感じさせていただきました。年をとること、体が弱っていくこと、誰かのお世話になることはとても自然なことで、決して恥ずかしいことではありません。人として基礎となるその心構えを音楽を通して私たちに伝えてくださいました。音楽も介護もアート。心に刻みたい言葉です。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
清水さんにとって、デイサービスでのケアはお仕事という感覚ではなくて、一緒に楽しいことをしているという感覚なんですね。歌によって清水さんにとっても患者さんにとっても日々のケアが楽しいものになっている。デイサービスセンターに来ることができなくなった患者さんのお宅で歌を歌うと、握っている患者さんの手が歌のリズムを刻んでいたり、言葉が話せなくても音楽でコミュニケーションをとられているんですね。例えば歌であったり、患者さん本人が楽しくなることを取り入れることは、よりより在宅療養となり、患者さんがその人なりに最期まで生き抜いてもらうことにつながるのかもしれませんね。
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☆番組を聴き逃した方、もう一度聴きたい方は、こちらをクリックしてください☆ ←番組視聴ページのリンクです。
2nd Season #13 認知症の母、忘れられない気遣い。
2014年11月30日
みなさま、お元気ですか? 小野千穂です。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。
よろしくぴよ♪
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2nd Season 第13回は、彦根在住で認知症のお母さんを看取られた小宮俊昭(こみや としあき)さんにお話を伺いました。
「在宅療養を始めたきっかけは?」
母がインフルエンザになったことで寝たきりになりました。その時に、かかりつけ医さんに点滴をしてただきました。「いつでも携帯に電話して」と言葉をかけていただいてとても安心しました。しばらくして、知り合いから訪問看護師さんの存在を教えていただきました。この情報もすごく助かりました。そこで、インフルエンザが治ってからもずっと自宅で介護していました。
小宮さん
「どうして在宅で看取ろうと思ったのですか?」
母は要介護4でした。入浴も介助しながら自宅で入れていました。その時に、女学校時代の話をよく聞きましたが、寝る前に僕の顔を指差して「これ誰や」と聞くと、「知らん」と。「そうか、忘れたか」と私も笑っていました。
私は韓国のソウルで生まれたのですが、そのことも母は忘れていました。母を自宅で最期まで看たいと思った理由は、その私の生い立ちにあります。商社にいた父親が病気になったので家族で日本へ引き揚げることになったのですが、母は幼い兄と生まれたばかりの私を連れて三重県まで帰ってきました。「何としても連れて帰らなければ」という気持ちだったそうです。翌年、父は亡くなりましたが母は兄弟2人を育てあげてくれました。母への感謝の気持ちから決意しました。
「介護を笑いに。」
8年前に母を自宅へ引き取った当時のことです。仕事から帰ってきたら、ヘルパーさんと母親が玄関の外で大喧嘩していました。「知らん人が来た!」と。認知症のため、ヘルパーさんのことがわからなかったのだと思いますが、2度ほどあったのでこれはもう仕事もしていられないなと思いました。そこで、仕事を辞めて自宅で寄り添うようになりました。
あっという間の8年間でした。苦労しているとか、しんどいなと思うと長かったのかもしれませんが、毎日が楽しかったんです。母と2人で大笑いしたこともありました。食事のお世話も下のお世話もしてきました。夜中に部屋を汚されたら2時間ほどかけて掃除したこともありました。寝る暇もありません。それでも8年間居てくれてよかったです。母のおかげで自分の人生も変わりました。母の介護の経験をもとにボランティア活動を始め、多くの人と出会うこともできました。また、母と生活することで、時間の区切りがつきました。「お酒ばっかり飲んでたらあかん」と怒られたこともあります。母は、認知症になっても私を気遣ってくれました。そのことが忘れられません。認知症の患者さんもどこかで家族に気を遣っているんだということを他の方にも知ってもらいたいと思います。
「家族の会 男性オンリー?!」
私のように男性介護者も多くなってきていますが、男性の本音として、女性を含めた家族の会ではなかなか発言がしにくいんです。そこで、平成21年から男性のみの家族の会を始めました。現在は11名ほどで定期的に野洲の会場に集まっています。その中で6名ほど奥さんを介護されている方がいます。でも、どこかで奥さんの嫌がることをしている時もあるんです。男性は気付かないことなんですけど。例えば、「歯磨き」。奥さんの歯磨きを手伝うのですがどうしても嫌がってしまう。なんでやろ?と。そんな時、会場内でじっと黙って話を聞いてもらっている女性の方から「子ども用歯磨きを使ったら?」とアドバイスをもらいました。あ、そうなんと。男性は歯磨きと言えば大人用でせなあかん、と思うんですけど、女性は子育ての経験があるから違う見方もしてくれます。
また、会のルールとして最初に自分の経験を話すんですが、20分間ずっとお一人に話してもらいます。その間、他のメンバーは聞いているだけ。質問したり、話をとぎらせたりしません。男性はなかなか自分の話を普段は長々とできません。その分、言いたいことはたくさんあります。20分じゃ足りないくらい。自分の辛さを出すところがないんです。待ち遠しいです。その点、女性はどこでも自分の話ができる。そこが違うんです。
男性介護者の集い「なかきた」では、わりと狭い部屋の中で肩を寄せ合いながら話します。しゃべりやすいです。また、介護に関わっていない家族には言えないことも、同じ思いを抱えた仲間には吐き出すことができます。話しているうちに涙を流すメンバーもいます。中にはお医者さんにも言えないことを言ってしまう場面もありました。奥さんの認知症を何とか治したいと1年間ずっと言い続けていたメンバーに対して、「治らへん!」と言い切るんです。まずは、認知症そのものを受け止めることから始まるんです。自分が経験しているからこその言葉です。
「小宮さんにとって看取りとは」
10年前に家内を病院で亡くしました。そしてこの春には自宅で母を亡くしました。難しい問題です。本人の意思もありますから。でも私は母を引き取った時からどうしても自宅で看取りたかった。でもその準備はこれまた難しい。母の看取りについて、兄と話し合ったことがなかったんです。2人が同じ方向を向いていたらよかったのですが。だから早めに家族と話し合うことが大事だと思います。
「取材を終えて」
8年の間、認知症のお母さんをお一人で介護された小宮さん。大変な道のりだったと思いますが、ふりかえるとお母さんとご自身の笑顔でいっぱいなのだそうです。認知症というものをしっかり認識すること。受け止めること。そこから生活のリズムを整えていく。多少の失敗は笑い飛ばしてしまえば、親子の立場は逆転してもまるで子育ての頃のような喜びもでてきます。愛情は最初からそこにあるものではなく、2人で育むものなのだと、幼子を持つ自身にも教えてもらいました。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
患者さんを家族が家で看るというのは心細いことですね。でも、かかりつけ医の先生が携帯番号を教えてくれて「いつでも連絡していい」と言われたことで小宮さんもずいぶんと心強かったことでしょう。やはり、在宅医療は訪問してくださる医師や看護師さんと密な連絡が取れたり、相談に乗ってもらえるというのがいいところですね。小宮さんは男性で介護されている方が集まる会をされていますが、男性同士だからこそ話せることもあるでしょうし、それによって次の日の介護に前向きに取り組めるのならとってもいいことだと思います。看取りをする上で必要なことは、家族でしっかりと介護や看取りについて話しておくことということでした。ぜひ参考にしていただきたいです。
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☆番組を聴き逃した方、もう一度聴きたい方は、こちらをクリックしてください☆ ←番組視聴ページのリンクです。
Are you ready? ~生き生きエンディングのススメ~2nd Season
この番組は、「在宅医療」をキーワードに、訪問診療や訪問看護など、在宅療養で受けられる医療について、みなさんと一緒に理解を深めていこうという番組です。
一緒に番組を届けてくれるのは、医療福祉・在宅看取り啓発キャラクターの「みとりちゃん」です。

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2nd Season 第13回は、彦根在住で認知症のお母さんを看取られた小宮俊昭(こみや としあき)さんにお話を伺いました。
「在宅療養を始めたきっかけは?」
母がインフルエンザになったことで寝たきりになりました。その時に、かかりつけ医さんに点滴をしてただきました。「いつでも携帯に電話して」と言葉をかけていただいてとても安心しました。しばらくして、知り合いから訪問看護師さんの存在を教えていただきました。この情報もすごく助かりました。そこで、インフルエンザが治ってからもずっと自宅で介護していました。

「どうして在宅で看取ろうと思ったのですか?」
母は要介護4でした。入浴も介助しながら自宅で入れていました。その時に、女学校時代の話をよく聞きましたが、寝る前に僕の顔を指差して「これ誰や」と聞くと、「知らん」と。「そうか、忘れたか」と私も笑っていました。
私は韓国のソウルで生まれたのですが、そのことも母は忘れていました。母を自宅で最期まで看たいと思った理由は、その私の生い立ちにあります。商社にいた父親が病気になったので家族で日本へ引き揚げることになったのですが、母は幼い兄と生まれたばかりの私を連れて三重県まで帰ってきました。「何としても連れて帰らなければ」という気持ちだったそうです。翌年、父は亡くなりましたが母は兄弟2人を育てあげてくれました。母への感謝の気持ちから決意しました。
「介護を笑いに。」
8年前に母を自宅へ引き取った当時のことです。仕事から帰ってきたら、ヘルパーさんと母親が玄関の外で大喧嘩していました。「知らん人が来た!」と。認知症のため、ヘルパーさんのことがわからなかったのだと思いますが、2度ほどあったのでこれはもう仕事もしていられないなと思いました。そこで、仕事を辞めて自宅で寄り添うようになりました。
あっという間の8年間でした。苦労しているとか、しんどいなと思うと長かったのかもしれませんが、毎日が楽しかったんです。母と2人で大笑いしたこともありました。食事のお世話も下のお世話もしてきました。夜中に部屋を汚されたら2時間ほどかけて掃除したこともありました。寝る暇もありません。それでも8年間居てくれてよかったです。母のおかげで自分の人生も変わりました。母の介護の経験をもとにボランティア活動を始め、多くの人と出会うこともできました。また、母と生活することで、時間の区切りがつきました。「お酒ばっかり飲んでたらあかん」と怒られたこともあります。母は、認知症になっても私を気遣ってくれました。そのことが忘れられません。認知症の患者さんもどこかで家族に気を遣っているんだということを他の方にも知ってもらいたいと思います。
「家族の会 男性オンリー?!」
私のように男性介護者も多くなってきていますが、男性の本音として、女性を含めた家族の会ではなかなか発言がしにくいんです。そこで、平成21年から男性のみの家族の会を始めました。現在は11名ほどで定期的に野洲の会場に集まっています。その中で6名ほど奥さんを介護されている方がいます。でも、どこかで奥さんの嫌がることをしている時もあるんです。男性は気付かないことなんですけど。例えば、「歯磨き」。奥さんの歯磨きを手伝うのですがどうしても嫌がってしまう。なんでやろ?と。そんな時、会場内でじっと黙って話を聞いてもらっている女性の方から「子ども用歯磨きを使ったら?」とアドバイスをもらいました。あ、そうなんと。男性は歯磨きと言えば大人用でせなあかん、と思うんですけど、女性は子育ての経験があるから違う見方もしてくれます。
また、会のルールとして最初に自分の経験を話すんですが、20分間ずっとお一人に話してもらいます。その間、他のメンバーは聞いているだけ。質問したり、話をとぎらせたりしません。男性はなかなか自分の話を普段は長々とできません。その分、言いたいことはたくさんあります。20分じゃ足りないくらい。自分の辛さを出すところがないんです。待ち遠しいです。その点、女性はどこでも自分の話ができる。そこが違うんです。
男性介護者の集い「なかきた」では、わりと狭い部屋の中で肩を寄せ合いながら話します。しゃべりやすいです。また、介護に関わっていない家族には言えないことも、同じ思いを抱えた仲間には吐き出すことができます。話しているうちに涙を流すメンバーもいます。中にはお医者さんにも言えないことを言ってしまう場面もありました。奥さんの認知症を何とか治したいと1年間ずっと言い続けていたメンバーに対して、「治らへん!」と言い切るんです。まずは、認知症そのものを受け止めることから始まるんです。自分が経験しているからこその言葉です。
「小宮さんにとって看取りとは」
10年前に家内を病院で亡くしました。そしてこの春には自宅で母を亡くしました。難しい問題です。本人の意思もありますから。でも私は母を引き取った時からどうしても自宅で看取りたかった。でもその準備はこれまた難しい。母の看取りについて、兄と話し合ったことがなかったんです。2人が同じ方向を向いていたらよかったのですが。だから早めに家族と話し合うことが大事だと思います。
「取材を終えて」
8年の間、認知症のお母さんをお一人で介護された小宮さん。大変な道のりだったと思いますが、ふりかえるとお母さんとご自身の笑顔でいっぱいなのだそうです。認知症というものをしっかり認識すること。受け止めること。そこから生活のリズムを整えていく。多少の失敗は笑い飛ばしてしまえば、親子の立場は逆転してもまるで子育ての頃のような喜びもでてきます。愛情は最初からそこにあるものではなく、2人で育むものなのだと、幼子を持つ自身にも教えてもらいました。(chiho)
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☆インタビューを聞いて、みとりちゃんの感想☆
患者さんを家族が家で看るというのは心細いことですね。でも、かかりつけ医の先生が携帯番号を教えてくれて「いつでも連絡していい」と言われたことで小宮さんもずいぶんと心強かったことでしょう。やはり、在宅医療は訪問してくださる医師や看護師さんと密な連絡が取れたり、相談に乗ってもらえるというのがいいところですね。小宮さんは男性で介護されている方が集まる会をされていますが、男性同士だからこそ話せることもあるでしょうし、それによって次の日の介護に前向きに取り組めるのならとってもいいことだと思います。看取りをする上で必要なことは、家族でしっかりと介護や看取りについて話しておくことということでした。ぜひ参考にしていただきたいです。
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☆番組を聴き逃した方、もう一度聴きたい方は、こちらをクリックしてください☆ ←番組視聴ページのリンクです。